心筋が虚血後に再灌流障害を受けると、アクチン・ミオシンの過収縮からなる収縮帯を伴う特徴的な壊死が生じる。本研究では、コスタメア構成分子であるβジストログリカン(β-DG)の局所的機能破綻が収縮帯形成の重要な役割を演じているとの仮説を立て、これを検証するためにβ-DG-EGFP とアクチン-RFP とを同時に発現させたラット初代培養心筋細胞を作成、心筋細胞膜上の EGFP 蛍光に対して近赤外超短パルスレーザーによる多光子励起分子機能阻害を施した。これにより細胞膜上に発現するβ-DG の選択的破綻が、心筋細胞の収縮帯の形成に寄与することが明らかになった。
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