がん抑制遺伝子p53は種々のE3 ubiquitin ligaseの発現を制御し、またp53自身はこれらE3 ubiquitin ligaseにより翻訳後修飾を受けて細胞機能に影響を及ぼしていることが明らかとなっている。我々は過去にp53に関連すると報告されている全18個のE3 ubiquitin ligaseの中から、WWP1がp53依存的に、肥満に関連して脂肪組織において発現が増加することを見いだした。このタンパク質の発現はインシュリンにより負に制御されており、脂肪細胞株でのこのタンパク質のノックダウンは脂肪細胞の分化を抑制した。以上より、WWP1は新規の肥満病態の増悪因子であり、その発現はp53とインシュリンにより制御されている可能性が示唆された。
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