研究課題/領域番号 |
23659210
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
油田 正夫 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90293779)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | マラリア / 遺伝子導入 |
研究概要 |
本研究ではまず申請者のシゾントに関する発見を指標に成熟シゾントの大量調製法の確立を試み、次いで精製した成熟シゾントへの遺伝子直接導入法確立を試みる。最終的にPCR法により調製した直鎖状DNA分子を用い、確立した手法によりダブルクロスオーバーによる原虫遺伝子改変を試みる。上記実験を通じて熱帯熱マラリア原虫の遺伝子操作技術の改良を図る。本年度は成熟シゾントの大量調製法の確立を目的として研究を行った。まず試験管内培養した熱帯熱マラリア原虫よりパーコール濃度勾配遠心法によりシゾント(成熟・未成熟を含む)を回収し、新鮮な赤血球に感染させ、4時間後にソルビトール処理を行ってリング期原虫以外を死滅させた。同様の操作を繰り返しながら徐々に培養規模を拡大し、高度に同調した原虫を大量に調製するした、次にこれらの原虫をヒト血清を含む完全培地(赤血球非存在下)で培養した。培養中のシゾントを経時的に採取し、顕微鏡下においてシゾントが出現するタイミングを決定した。以上の操作により、遺伝子導入に必要な高度に同調されたシゾントを大量に得ることができた(約1.0 ×108個)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標であった成熟シゾントの大量調製法を確立し、計画を予定通り進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
成熟シゾントの大量調製に成功した後、環状プラスミドDNAを用いて原虫への直接導入を試みる。即ちDNAをT-cell nucleofectorに溶解し精製した成熟シゾントと混合後、エレクトロポレーションによってDNAを原虫内へ導入し直ちに赤血球と混合して感染させる。使用するプラスミドDNAにはピリメサミン耐性の薬剤マーカーを組み込み込んだものを使用し、薬剤選択によってDNAが導入された原虫を選択する。最終的に選択した原虫よりプラスミドDNAを回収し、正常に遺伝子導入が行われたことを確認する。外来DNA導入時には(1)細胞数、(2)DNA量を変化させ最適条件を決定する。
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次年度の研究費の使用計画 |
遺伝子導入に必要な試薬類及び原虫培養に必要な試薬類の購入に使用する予定である。
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