研究課題/領域番号 |
23659217
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
中根 明夫 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30164239)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 感染症 / 炎症 / 幹細胞 / 脂肪組織 / 免疫 |
研究概要 |
本研究は、再生医学に用いられる幹細胞の中でも比較的低侵襲で細胞が得やすい間葉系幹細胞(MSCs: mesenchymal stem cells)を用いる。しかし、再生を標的としているのではなく、ASCs自体の直接作用及び免疫学的調節作用を応用し、致死的難治性感染症の治療法としての有用性を明らかにすることを目的としている。具体的には、C57BL/6マウスの皮下及び内蔵脂肪組織をコラゲナーゼ処理し、Iscove’s modified Dulbecco’s medium (IMDM)+9%ウシ胎児血清+9%ウマ血清を用いて培養後、付着細胞をASCsとして使用した。本年度はエンテロトキシンショックマウスモデルを用いて、ASCsの投与効果を検討し、以下の結果を得た。1.黄色ブドウ球菌が産生し、スーパー抗原活性を有するブドウ球菌エンテロトキシンA(staphylococcal enterotoxin A; SEA)と大腸菌由来リポ多糖(lipopolysaccharide; LPS)を投与する30分前に10万個から100万個のASCsを経静脈投与すると、対照である脾細胞投与群と比べ、有意に致死率が低下し、治療効果が認められた。2.エンテロトキシンショック誘導マウスの血中サイトカインを定量したところ、対照である脾細胞投与群と比べ、ショックの増悪因子として重要なサイトカインのひとつであるIFN-γレベルが有意に低下していた。さらに現在、他の炎症性サイトカインやケモカイン産生に対するASCsの効果について解析を進めている一方、病理組織学検討を行っている最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請前に効果を確認した劇症肝炎モデルと同様にエンテロトキシンショックマウスモデルでASCsの投与が生体レベルで治療効果を示すことを実証でき、その作用メカニズムとしてIFN-γの過剰産生の抑制が関わる可能性を示す結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度へ500千円を繰り越すことになったが、この主原因がASCsとして細胞を使用できるまでの培養に予想外に時間を要したことにある。この問題を解決するとともに、細菌感染症への効果の実証と作用機序の解明を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
500千円の繰り越しを含めた交付金1900千円については、培養関係・実験動物(マウス)・一般試薬の購入のための物品費として1250千円、学会発表のための旅費として140千円、実験補助の謝金として360千円、その他(動物飼育経費)として150千円の使用を計画している。
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