研究課題/領域番号 |
23659226
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
細菌学(含真菌学)
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研究機関 | 防衛医科大学校 (2012) 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究 (2011) |
研究代表者 |
西川 可穂子 防衛医科大学校, 病院, 助教 (20345416)
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研究分担者 |
小野 聡 防衛医科大学校, 防衛医学研究センター, 准教授 (30531355)
木下 学 防衛医科大学校, 医学教育部医学科専門課程, 准教授 (70531391)
齋藤 大蔵 防衛医科大学校, 防衛医学研究センター, 教授 (90531632)
阪本 敏久 防衛医科大学校, 病院, 教授 (50178571)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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キーワード | 病原性 |
研究概要 |
ピロリ菌は胃潰瘍や胃癌の原因菌であるため、多くの研究者によって炎症機序などが精力的に調べられているが、その多くはピロリ菌と宿主細胞のみが存在するとの条件下で行われている。しかし実際の胃内では、ピロリ菌以外のウレアーゼ産生菌が胃炎起因菌として共存しており、これらが慢性胃炎等に関与していることが報告されている。そこで、本研究ではピロリ菌の毒性因子は胃内共存菌が存在することで減弱されるのか、または増強されるのかという点に注目した。先行研究により、ピロリ菌が宿主のTLR4を刺激し、胃癌細胞の増殖を促すと共に細胞性免疫を活性化させないことが明らかとなっている。本研究では、まず胃内起炎菌のひとつであるProteus mirabilis(プロテウスミラビリス菌)と共存した時に癌細胞を増殖させるのか、また宿主癌細胞のシグナリングの上流であるTLR4と、更に鞭毛にあるフラジェリンタンパクの受容体で病原菌細菌の侵入を感知する重要なセンサーであるTLR5への刺激が増強されるのか、といった点について検討した。ピロリ菌とプロテウス菌の生長速度の違いもあり、2菌共存下における癌細胞の増殖はうまく結果を得られなかったが、ピロリ菌単独感染で胃癌細胞の増殖を確認した。この条件下では、ピロリ菌単独感染でTLR4のmRNA発現は、刺激なしの群と比較して高い傾向を示し、プロテウス菌共存下では更に高くなる傾向がみられた。一方、TLR5のmRNA発現は、ピロリ菌単独感染ではTLR4のように発現が高くなかったが、プロテウス菌と共存することにより高くなる傾向を示した。ピロリ菌は、他の胃炎起炎菌と共存するとTLR4およびTLR5への宿主細胞への刺激が高まる傾向があることが示唆された。
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