2011 年度実施状況報告書

慢性感染ウイルスとヒト免疫のバイオインフォマティクス解析

研究課題

研究課題/領域番号	23659232
研究機関	熊本大学
研究代表者	上野貴将熊本大学, エイズ学研究センター, 准教授 (10322314)
研究期間 (年度)	2011-04-28 – 2012-03-31
キーワード	ＨＩＶ / 免疫回避
研究概要	本研究では、これまでに構築した多国間の共同研究ネットワークを通じて、さまざまな病態の多数の検体入手することにより、HIV-1の免疫回避機能と宿主のHIV特異的免疫応答をex vivoで解析する。そして、ウイルスとヒト双方のゲノム情報を含めた多変量バイオインフォマティクスを進めることにより、ウイルスによるヒト免疫回避システムと、ヒトの遺伝的・免疫学的背景が、慢性感染の成立や病態発症にもたらす影響を定量的・包括的に明らかにすることを目的としている。研究費の採択通知を受けたのち、速やかに海外の研究機関に連絡を取り、前もって打ち合わせておいた本研究の計画にしたがって、研究計画書の作成（倫理委員会等への申請を含め）と検体収集の準備に取り掛かった。しかしながら、計画書の作成過程で、当初予期していなかったさまざまな修正が必要となったこと、各研究機関の倫理委員会の承認に時間がかかったこともあり、研究の開始（臨床検体の収集を含む）が想定外に遅れた。その後は、海外での検体収集、ウイルスRNAやDNAの調製は順調に進んだ。Ｈ２４年２月と３月に、こうした検体をすべて受け取った。検体のＩＤ、付帯する臨床データおよびサンプルについて、すべて確認を行なった。一部の検体について、試験的に、ウイルス遺伝子の増幅とシークエンスの確認を試みて、相応の結果を得た。今後は速やかに、受け取ったすべての検体の解析を進めていく予定である。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 4: 遅れている理由研究実績に記載した通り、臨床検体の収集に至るまでの過程で、大きな遅れを生じた。前もってある程度の準備はしていたが、研究費採択後に具体的に動き出したら、想定外の多くの問題が生じた。
今後の研究の推進方策	解析を予定している検体がすべて手元にそろったため、当初の実験計画にしたがって、速やかに実験と解析を進めていく予定である。
次年度の研究費の使用計画	研究をきわめて速やかに進めるため、当初の６か月から8か月の間に集中して研究費を投入したいと考えている。このために、実験を補佐する技術補佐員の雇用人して、1,500,000円（250,000円/月として６カ月）を計上する。その他、実験に用いる試薬代、材料費などとともに、研究成果の投稿料を計画したい。また、アメリカ、カナダに出向いて、共同研究者と実験データの最終的な解析方法について打ち合わせを行いたい。