• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実施状況報告書

次世代標的化ウイルスベクターの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23659236
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

竹田 誠  国立感染症研究所, ウイルス第三部, 部長 (40311401)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードウイルスベクター / 再生医療 / ウイルス
研究概要

再生医療、癌治療、遺伝子治療などの最先端の分野においてウイルスベクターが利用されている。また、特定の4種の転写因子を導入することにより、細胞を初期化し、iPS細胞を作出できることが明らかになっている。ウイルスベクターに複数種(4種以上)の転写因子の遺伝子を導入し、また、目的の細胞に特異的に感染させることができれば、その有用性は飛躍的に向上する。本研究では、多数の外来性遺伝子を搭載でき、また、標的とする表面抗原に対する抗体とを混ぜ併せるだけで、自由自在に目的とする細胞種へ感染(標的化)できるウイルスベクターを開発することを目的としている。   1)Fc受容体を発現する細胞を用いて、麻疹ウイルスの抗体依存的感染の可能性を解析する。 Fc受容体を恒常的に発現するBHK細胞(麻疹ウイルスに対する本来の受容体を持たない)に各モノクローナル抗体存在下で麻疹ウイルスを感染させ(実験を、効率的そして定量的に実施するためにレポータータンパクGFPあるいはルシフェラーゼを発現する組換え麻疹ウイルスを利用)、抗体依存的感染能を解析した。その結果、麻疹ウイルスが抗体とFc受容体を介して細胞へ感染できることを明らかにした。2)多遺伝子搭載非増殖型ウイルスベクターの作成。 F遺伝子を恒常的に発現する細胞株をパッケージング細胞に用いてF遺伝子欠損(非増殖型)麻疹ウイルスベクターの作成に成功した。さらに、ウイルスゲノムを二本に分節化することにより、6種の外来性遺伝子(EGFP、Oct3、Glis1、Pin1、Klf4、Sox)を同時に搭載したウイルスベクターの作成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

多遺伝子搭載非増殖型ウイルスベクターの作成に成功するとともに、麻疹ウイルスが抗体ならびにFc受容体依存的に感染できることを証明した。

今後の研究の推進方策

現在のところ、研究は非常に順調に進んでおり、研究遂行の上での問題点はない。今後は、多遺伝子搭載非増殖型ウイルスベクターによるiPS細胞作成能力の確認、ならびに、Hタンパク上の領域部分にFc受容体またはプロテインAを融合させた麻疹ウイルスベクターを作成し、任意のモノクローナル抗体を用いて任意の分子を受容体に用いて感染できる麻疹ウイルスベクターの作成に取り組んでいく。

次年度の研究費の使用計画

備品の購入予定はない。研究成果の発表のため旅費に約10万円を使用する。残りは、試薬などの消耗品に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Identification of conserved neutralizing epitopes of the measles virus hemagglutinin protein located in proximity and distal to the receptor-binding site.2011

    • 著者名/発表者名
      Tahara M et al.
    • 学会等名
      IUMS XV International Congress of Virology
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2011年9月11-16日
  • [学会発表] Measles virus escapes from neutralization at the cost of SLAM-binding activity.2011

    • 著者名/発表者名
      Tahara et al.
    • 学会等名
      5th Atlanta Area Paramyxer
    • 発表場所
      米国、ジョージア州、アトランタ市
    • 年月日
      2011年12月2日

URL: 

公開日: 2013-07-10  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi