研究課題
本研究では申請者らが開発したマウス肺内in vivo live imagingシステムを用いて、喘息肺での種々のTh細胞分画(Th1/Th2/Th17/iTreg等)の肺内ダイナミクス解析を行う。また、新規分子プローブを用いたマルチカラーモニタリング系の構築を行うとともに、これらの技術を応用して肝臓でのin vivo live imagingシステムを新しく構築すことを目的としている。平成23年度は、下記の研究を行った。1)マウス肺内in vivo live imagingシステムによる喘息肺でのリンパ球の動的挙動解析麻酔下にベンチレーターをつないだカニューレを気管に挿入する。左肺の気管支を結紮し、右肺だけの換気で呼吸管理を行う。左肺の血流は遮断しない。その状態で左肺を2光子顕微鏡で解析する。この系において左右の肺で血流量や細胞流入数に差がないことを再確認した。抗原特異的Th2細胞のほか、Th1、Th17、NKT、iTreg細胞などの違った機能サブセットを用いて移入実験を行い、浸潤様式の差異を解析した。iBALTの形成とリンパ球の浸潤のダイナミクスの解析が始まった。2)抗原提示細胞とTh細胞の細胞間相互作用のダイナミクス解析蛍光標識したOVA抗原を取り込ませた抗原提示細胞(樹状細胞)を樹状細胞の無いマウス(DC特異的ジフテリアトキシンレセプター:DTRトランスジェニックマウスにDTを投与してDCを除去)に移入し、抗原提示細胞とTh細胞との細胞間相互作用を可視化する為の準備を終えた。抗原特異的Th2細胞のほか、Th1、Th17、NKT、iTreg細胞などの違った機能サブセットを用いて実験を行い、浸潤様式の差異を解析しているが、本解析は、分担研究者の長谷川が中心に行っている。
1: 当初の計画以上に進展している
当初は、初年度はTh1/Th2細胞などのリンパ球のみの挙動の解析を行う予定であったが、組織でのiBALTの細胞集積構造体との関連でリンパ球の挙動の解析まで出来るようになった。この解析を開始したことは当初の計画以上に進んでいると考えている。
とくに、組織でのiBALTの細胞集積構造体との関連でリンパ球の挙動の解析に力をいれて研究を行いたい。
組織でのiBALTの細胞集積構造体との関連でリンパ球の挙動の解析を開始したことにより、本研究にかかる試薬・ブラスティック・マウス等に研究費を使用する。又、海外での発表のための旅費並びに論文発表の英文校正等にも使用する予定である。
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