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2012 年度 実績報告書

生命維持治療中止法制化の影響に関する社会医学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23659248
研究機関東北大学

研究代表者

伊藤 道哉  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70221083)

キーワード生命維持治療 / 中止 / 法制化 / 社会的影響
研究概要

わが国では「積極的安楽死」の要件、生命維持治療、中でも人工呼吸療法の中止については法的根拠がないままである。本研究では、十分な議論がなされないまま、放置されている「積極的安楽死」の要件をきちんと整理するとともに、従来延命治療として一括されていた「人工呼吸療法の中止」を、積極的安楽死として捕らえなおすことで、医療現場の整理が図られる可能性を探求する。
①調査研究。筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者について、コミュニケーションがとれない状況が持続した場合事前指示書による呼吸療法中止の意思を表示をしているモデルケースと、一般論としての人工呼吸(換気)療法の中止の可否について、神経内科医と、生命倫理に詳しい法律家、ALSのコミュニケーション支援に関する知識を有する情報工学の学生に対して調査を行った。いずれも相手方の同意を得て匿名の調査を実施した。モデルケースについて人工呼吸療法を中止するとの医師の回答は28.3%、中止せず維持するは63.3%であった。一方、一般論について人工呼吸療法中止可能とする医師は66.7%、中止せず維持するは、23.3%であり、モデルケースと一般論で回答が大きく逆転した。モデルケースで、人工呼吸(換気)療法中止可能とする法律家等は70%、中止せず維持すべきは18%であった。情報工学を専攻する学生では、モデルケースで、呼吸療法の中止について違法は29%、違法でない71%、一般論では、違法34%、違法性阻却可能57%、その他9%であった。
②質的研究。わが国の終末期医療に関するガイドライン等、諸外国の最新の情勢について総合的に分析するとともに、上記①の調査結果をふまえて、尊厳死法制化を考える議員連盟の「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案」(仮称・未定稿)をたたき台として、有識者、当事者団体、有志学生と生命維持治療中止法制化の社会的影響を検討した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 筋萎縮性側索硬化症患者の人工呼吸療法中止に関するアンケート調査2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤博明、板井孝壱郎、伊藤道哉 他
    • 雑誌名

      臨床神経学

      巻: 52 ページ: 1603-1063

    • DOI

      0009-918X

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 東日本大震災被災地在宅療養支援診療所等および被災地外在宅療養支援診療所等に対する調査からみた在宅医療の危機管理2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤道哉、千葉宏毅、川島孝一郎
    • 雑誌名

      日本医療・病院管理学会誌

      巻: 49巻Suppl. ページ: 187-187

    • DOI

      1882-594X

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 震災被害を拡大させない在宅医療・介護関連職種の体制に関する研究2012

    • 著者名/発表者名
      千葉宏毅、伊藤 道哉 他
    • 雑誌名

      東北公衆衛生学会誌

      巻: 61 ページ: 50-50

    • DOI

      0915-549X

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「尊厳死」法制化に斬り込む2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤道哉
    • 雑誌名

      リヴィング・ウイル

      巻: 147 ページ: 15-15

  • [学会発表] 東日本大震災被災地在宅療養支援診療所等および被災地外在宅療養支援診療所等に対する調査からみた在宅医療の危機管理2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤 道哉、千葉 宏毅、川島 孝一郎
    • 学会等名
      第50回日本医療・病院管理学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20121017-20121018
  • [図書] 生命と医療の倫理学 第2版2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤道哉
    • 総ページ数
      240
    • 出版者
      丸善出版
  • [図書] 医療の倫理 資料集 第2版2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤道哉
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      丸善出版
  • [図書] 医療倫理2013

    • 著者名/発表者名
      伊藤道哉
    • 総ページ数
      183
    • 出版者
      日本医師会

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公開日: 2014-07-24  

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