がん診療連携拠点病院制度に着目し、がん医療の均てん化の施策が地域に浸透するのか、社会的共通資本として、各拠点病院が機能するのかを医療社会学的観点から考察した。医療圏で状況は異なるものの、医療者のコミュニケーション能力等を含む技術や意識の向上や、地域連携クリティカルパスの運用の在り方、緩和医療の実践などが障壁になっていることがわかった。補助のあり方を改めるなど、必要な対策を取れば、均てん化に近づけることが示唆された。コモンズとしての医療を拡充するために、地域性を後押しする政策を展開する必要がある。
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