研究課題/領域番号 |
23659256
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
森本 剛 近畿大学, 医学部, 教授 (30378640)
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研究分担者 |
種田 憲一郎 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (10399454)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 医療・福祉 / 社会医学 / 教育学 / 医療安全 |
研究概要 |
医療現場におけるコミュニケーション技能や協働能力が医原性有害事象の発生に関連していることが報告されつつあり、これらコミュニケーション技能や協働能力についての教育介入の有効性を評価した。本研究では、医師、看護師、薬剤師、事務職員などの医療従事者を対象に、コミュニケーション技能を中心とするチーム医療教育(TeamSTEPPS)を実施し、その実施にかかる現実的な要素や汎用性に関するデータを評価した。 研究計画通り、本年度は京都府医療トレーニングセンターで京都府内の医師9名、看護師7名、薬剤師5名、事務職3人の計24人を5つの多職種混成チームに分けて、チーム医療教育を実施した。現在、得られた調査票について解析を加えているところであるが、チーム医療教育の前後で、「チームとしての積極性」「コミュニケーション」「役割の明確化」の項目の改善が見られた。個別コメントしても「今まであまり考えなかったことなので、これから実際に意識して使ってみようと思いました」「事務の立場として、チーム医療にどう加わるか?改めて勉強になりました。現場に戻り、今日学んだことを活かしたいと思います」といった、ポジティブな評価が多く、チーム医療教育の有効性が確認できた。 一方で、少人数のグループを対象とした教育であり、教育を担当するトレーナーを多く必要とする。また、そのトレーナーの訓練には一定の時間が必要であり、本年度はオブザーバーをもうけて、養成を試みた。今後は標準化した教育プログラムを作成し、トレーナーを養成する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
医師や看護師の多職種を対象としたチーム医療教育は、予定数を超える対象者に実施できた。しかし、短縮型の教育を京都大学医学部学生に実施する点については、研究代表者が年度途中で、近畿大学に異動となったため、本年度では実施できなかった。24年度に改めて、実施可能性について検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通り、翌年度は研究対象数を増やして、多職種を対象としたチーム医療教育の有効性を科学的に評価する。また、本年度教育を受けた参加者の経時的変化についても評価する予定である。本年度データ収集が終了した定量的評価及び画像データについて、計画通りに解析する予定である。本年度、研究分担者であった種田憲一郎が本年度より海外機関に異動となったため、種田憲一郎が研究分担者から外れる予定であるが、研究全体の進行に影響はない。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究計画通り、得られたデータの処理を行うための人件費及び、研究結果を広く公表するための海外旅費に研究費を使用する予定である。
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