研究概要 |
福岡県において平成21年度に入院した高齢者の電子レセプトを同定し、データベースを作成し、前期・後期高齢者別、病床別に医療指標を比較した。なお、入院中に病床を転床している症例は「転床」と定義した。 高齢者の入院件数は147,358件、前期高齢者が40,180件、後期高齢者が107,178件であった。前期高齢者では、男性が21,390件(53.2%)、女性が18,790件(46.8%)、後期高齢者では男性が40,650件(53.2%)、女性が66,528件(46.8%)であった。前期高齢者平均入院日数は、一般病床が22.2、療養病床が171.2、精神病床が203.8、転床が120.5、後期高齢者の病床別では、一般病床が26.6、療養病床が155.6、精神病床が177.0、転床が118.9であった。前期高齢者の入院医療費は、一般病床が823,361円、療養病床が3,055,795円、精神病床が2,817,901円、転床が2,564,490円、後期高齢者の入院医療費は、一般病床が808,079円、療養病床が2,643,786円、精神病床が2,548,618円、転床が2,398,935円であった。前期高齢者の1日あたり入院医療費は、一般病床が48,225円、療養病床が18,117円、精神病床が15,193円、転床が22,196円、後期高齢者の1日あたり入院医療費は、一般病床が37,992円、療養病床が17,399円、精神病床が16,230円、転床が21,351円であった。療養病床、精神病床、転床は、一般病床よりも1日あたり入院医療費は低いものの、入院日数が長いため、入院医療費は高くなっていることが明らかになった。
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