研究課題/領域番号 |
23659263
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
白井 輝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (40244488)
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研究分担者 |
上田 敦久 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (60295483)
石ヶ坪 良明 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40137039)
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キーワード | HIV感染症 / 長期診療 / 専門的医療 / プライマリケア / 地域医療 / 意識調査 |
研究概要 |
本研究では、今日のHIV診療においての医療ニーズを、専門医療的要因とプライマリ・ケア的要因の両面から分析し、今後の地域医療におけるHIV診療体制において求められるべき方向性を検討する。そのために前年度の患者アンケートに引き続き、今年度は「HIV患者の地域医療体制に対する意識調査」を行った。対象は横浜市立大学附属病院通院中のHIV感染患者の中で一年以上の継続診療を行っている患者で、現時点で約100名から回答が得られた。年齢は20代から70代、感染判明時の年齢は10代から60代であった。HIV感染患者の非HIV疾患の診療において、HIV専門医療機関(拠点病院)の役割と地域における一般的医療機関の役割が必ずしも明確にされておらず、多くの患者はHIV感染症以外の慢性疾患の治療を、近医などの一般医療機関ではなく、通院に時間をかけてHIV専門医療機関(当院)を受診することを希望している実態がある。その背景には、患者側が求める医療的課題、医療側の受け入れ体制に関する課題、HIV感染症への理解に関する課題、などの諸問題があり、現在アンケート調査の結果を分析中である。今後、地域医療において幅広くHIV患者の診療が受け入れられていくためには、専門医療機関と地域医療機関がより効果的に役割分担すべくシステムづくりが必須であると考えられるが、そのために必要な地域医療側の要因を解析するために、地域医療機関へのアンケート調査を含めた更なる検討が必要である(平成25年度の研究課題)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目的は、今日のHIV診療においての医療ニーズを専門医療的要因とプライマリ・ケア的要因の両面から分析し、今後の地域医療におけるHIV診療のあり方について検討することである。そのためにまず患者側から見たHIV診療のあり方を検討するために長期フォローされているHIV患者へのアンケート調査を昨年度に引き続いて行った。アンケート調査の結果は今後医療側要因を解析していく上での基礎資料となるものである。本年度(H24年度)の研究では病院側の現状を調査する予定であったが、調査内容の準備の段階で実際の調査はH25年度に持ち越された。
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今後の研究の推進方策 |
長期HIV診療における専門医療的要因とプライマリ・ケア的要因に関して患者側からみた調査内容を解析した結果(平成23年度および平成24年度の研究結果)を踏まえた上での医療側へのアンケート調査を行う。まず、神奈川県内の医療機関(拠点病院および一般病院)および高齢者療養施設を対象に、HIV患者の受け入れに関しての現状調査と意識調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
1)現状に関する調査:学会や学術誌からの情報収集 2)アンケート調査関連費用(地域医療機関、介護施設等へのアンケート調査) 印刷・郵送に関連した諸費用 謝礼(図書券) H24年度に予定されていた地域医療機関へのアンケート調査はH25年度に持ち越されたためH24年度予算からの繰越金(次年度使用額)はH25年度のアンケート調査関連費用の一部に充てるものとする。
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