研究課題/領域番号 |
23659263
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
白井 輝 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (40244488)
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研究分担者 |
上田 敦久 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (60295483)
石ヶ坪 良明 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40137039)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | HIV感染症 / 診療体制 / 地域医療 / プライマリケア / 専門的医療 / 地域連携 |
研究実績の概要 |
本研究は、今日のHIV診療においての医療ニーズを、専門医療的要因とプライマリ・ケア的要因の両面から分析し、今後の診療体制の在るべき方向性を検討することである。そのため、「長期診療に伴う患者要因の解析」及び「HIV患者の地域医療体制に関する意識調査」を目的とした患者側へのアンケートを行い(H23-H24)、その結果分析を踏まえた上で、H25年度後半よりHIV患者の受け入れに関しての現状調査と意識調査を目的として医療側へのアンケート調査を行った。神奈川県下の医療機関を対象にしたHIV診療に対する意識調査の結果、拠点病院17施設、非拠点病院172施設、計189施設(54.94%)より回答を得た。同様の調査を7年前にも行っているが、7年前の調査では103施設(30.6%)から回答があり、回答数の増加はHIV診療への関心の高まりを示すものと考えられた。3名以上のHIV診療の経験があると回答した施設は20施設で7年前の18施設とほぼ同様の数であった。しかし50名以上の診療経験があると回答した施設は4施設から7施設に増えていた。また患者総数は570名から979名とほぼ倍増していた。入院患者のHIV感染が判明した場合の対応については、診療実態のある施設(17施設)では自院で対応可であるが、診療実績のない多くの病院は他院に転院を依頼すると回答した(167施設)。以上の結果より、HIV患者数は確実に増加しているが、HIV診療を行っている医療機関の数はこの7年間でほとんど増加しておらず、依然として限られた医療機関に集中していることが明らかとなった。今後、地域医療において幅広くHIV患者の診療が受け入れられていくためには、専門医療機関と地域医療機関がより効果的に連携していくと同時に、地域医療に関与する各職種に幅広くHIV診療に関しての理解と意識改革を図っていくことが必要であると考えられた。
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