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2011 年度 実施状況報告書

脳科学的アプローチによる禁煙指導カウンセリングの構築

研究課題

研究課題/領域番号 23659268
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

望月 眞弓  慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (60292679)

研究分担者 中島 恵美  慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (90115254)
橋口 正行  慶應義塾大学, 薬学部, 准教授 (10271355)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード脳機能イメージング / 前頭前野 / 機能的近赤外分光法(NIRS) / 光トポグラフィ / 服薬カウンセリング / 禁煙支援 / プラセボ効果
研究概要

本研究では禁煙支援を題材に、機能的近赤外分光法(以下NIRS)を用いて、薬剤師による服薬カウンセリングの効果を脳科学的変化と禁煙達成率を指標に検証する。初年度は、健康成人非喫煙者において各種課題負荷時のNIRS測定を行った。非喫煙者10名に対し、日立光メディコ製22チャンネルNIRS(以下日立NIRS)を用い、言語流暢性課題(LFT)、暗算課題(MA)、2back課題負荷時の脳血流変化を測定した。また同一被験者に対し、浜松ホトニクス製2チャンネルNIRS(以下PNIRS)の左右プローブ出光部を国際10-20法のFp1・2部位に取り付け、同様に脳血流変化を測定した。 結果、日立NIRSでは前頭前野背外側部のFp1・2部位に近いチャネル(CH15及び9)で全課題に関し有意な⊿[oxyHb]増大が確認された(全課題ともp<0.05)。一方、PNIRSでも、全課題について左右両チャネルで⊿[oxyHb]が有意に増大した(全課題ともp<0.05)。PNIRSが日立NIRS同様Fp1・2部位での有意な⊿[oxyHb]変化を検出できることが確認された。PNIRSの方が解剖学的に同一な部位での測定が保証できること、本研究を地域薬局で行うにあたり簡便であること等も鑑み、今後の研究ではPNIRSを主に使用することとした。但し、課題に対する反応性に個人差が見られたり、日立NIRSでは血流の有意に増大した範囲(チャネル数)が各課題間で差があるなどの結果も得られたことから、必要時は適宜日立NIRSも使用していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の予定では日立NIRSのみを使用して研究を進める予定だったが、PNIRSをメインとして使用していくことに計画変更するため、PNIRSを前頭前野のどの部分に取り付け測定するか、日立NIRSとPNIRSで得られる結果で違いがないかどうかを、両NIRSを用いて検討・確認しなければならなかった。そのため、初年度に行う予定であった「喫煙の脳活動への影響に関する少人数パイロット試験」に着手することができなかった。

今後の研究の推進方策

今後は初年度に着手できなかった「喫煙の脳活動への影響に関する少人数パイロット試験」を進めていく。PNIRSは日立NIRSよりチャネル数が少ない分、解析時間を短縮でき、研究の遅れを取り戻すことができると考える。また我々は過去の研究で、エゴグラム(性格傾向の分析)で依存心の少ない自我を示す人では禁煙指導の有無が禁煙達成率に影響しないことを明らかにしている。これを踏まえ、非喫煙者及び喫煙者に対し、新版TEG2及びNIRS測定を用いて、性格傾向と脳活動の関係を明らかにする実験を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

本年度はPNIRSを用いて、まず初めに、健康人非喫煙者でのエゴグラムによる性格傾向とタスク負荷による脳血流変化との関係を明らかにする。続いて、健康喫煙者を対象に短期的に禁煙した際に脳血流に与える急性効果について検討する。その際、呼気中CO濃度および血液中ニコチンおよびその代謝物の濃度を測定し、これらと急性効果との関係について検討する。年度の終わりには禁煙補助薬を用いた禁煙プログラムについて、少数の喫煙者を対象に、禁煙、カウンセリング、エゴグラムと能血流変化の関係を明らかにする。この計画にともない次の経費を予算として考慮する。1)血中ニコチン及び代謝物濃度測定関連費用(測定代+送料):330000円、2)呼気中一酸化炭素濃度測定器関連の消耗品(マウスピース、サンプリングコネクター等):20000円、3)ニコチネルパッチ:120000円、4)新版TEG2エゴグラム用紙:20000円、5)試験協力者謝礼金:400000円、6)国内外の学会発表のための旅費:300000円、7)その他文具代:123010円

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公開日: 2013-07-10  

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