研究課題/領域番号 |
23659272
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
大久保 力廣 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10223760)
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研究分担者 |
桃井 保子 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10103558)
依田 正信 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (70005073)
高橋 裕 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (50154878)
渡邊 郁哉 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00274671)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 臨床実習 / OSCE / 歯科臨床技能 / 臨床教育 / 臨床能力評価 / 技能課題 / ファントム |
研究概要 |
患者中心の医療に向けた歯科医師養成を目指し,臨床実習後に修得する歯科診療技術の中から,卒業認定に値する教育・評価すべき課題を抽出した.すなわち,補綴系においては,可撤性義歯では(1)設計に応じて支台歯のプレパレーションを適切に実施できる,(2)筋圧形成を適切に実施できる,(3)印象採得を適切に行うことができる等,クラウンブリッジでは(1)支台歯の状態に応じて適切な支台築造法を選択し,支台歯築造を実施できる,(2)形成部位に応じて適切な支台歯形成用のバーの選択できる,(3)装着予定の歯冠補綴装置に応じて適切な支台歯形成ができる等,保存系実習においては,保存修復では(1)形成部位に応じて適切なう蝕除去用のバーの選択ができる,(2)コンポジットレジン充填のための適切なレジン窩洞形成ができる,(3)コンポジットレジン充填・研磨が適切にできる等,歯内療法では(1)歯髄炎・根尖性歯周組織疾患の診査,検査,診断が正しくできる,(2)適切なアクセスキャビティプレパレーションができる,(3)ラバーダム防湿ができる等,歯周治療では(1)歯周組織疾患の診査,検査,診断が正しくできる,(2)診断に基づいて適切な治療計画を立案できる,(3)正しくプラークコントロールができる等,小児歯科実習においては,フッ化物塗布では(1)歯面清掃,歯面乾燥ができる,(2)指定された歯にフッ化物を塗布できる,(3)患児の不快感に配慮した操作,声かけができる等,口腔外科系実習では(1)清潔操作を実施できる,(2)抜歯の器材の準備ができる等に関して,具体的診療技能・態度評価項目を選定した.さらに評価に用いる単純な顎運動を具備し超小型カメラを装着したファントムの設計を行った. また,アメリカにおける歯科医師資格試験のひとつであるNorth East Regional Board(NERB)の実技試験を視察する準備を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在,評価に用いる単純な顎運動を具備し超小型カメラを装着したファントムは設計段階にあり,完成を目指している.また,先進国における技能系OSCEの実施状況を調査するため,アメリカにおける実技試験を視察するため,NEBR関係者と打ち合わせを行い.デトロイトマーシー大学にて行われる実際の患者に対する実技試験を調査する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
アメリカにおける歯科医師実技試験の視察を参考に,卒業レベルあるいは研修医レベルの臨床教育・評価に適した課題の開発と評価方法の検討を行い,抽出・選定された新課題と技術評価項目に関して問題点を列挙し,ブラッシュアップを行う.また,開発したファントムを用いて実際の技能試験を試みる. 評価に用いるための単純な顎運動を具備し超小型カメラを装着したファントムの設計が遅れているために,研究費の未使用分が生じている.次年度はファントムの完成に向けて未使用分と次年度研究費を合わせて研究を遂行するとともに,アメリカデトロイトマーシー大学にて行われる実際の患者に対する実技試験を視察するため使用する.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度は,ブラッシュアップされた新課題による摸擬OSCEを試行するワークショップを開催するため,開催経費に使用する予定である.その後,4校で評価の分析を行い,得られたデータをもとに新課題と技術評価項目の完成を目指し,再度ワークショップを開催する必要がある. また,精度の高い公平,公正な評価を目指して,単純な顎運動を具備し超小型カメラを装着したファントムを完成させるための経費として使用する予定である. また,摸擬OSCEを実施し,動作の流れや安全管理などに関して正常運動範囲からの逸脱状況を分析するため,OSCE受験生の帽子や上体,腕等に小型赤外線ダイオード(赤外線マーカ)を装着し,臨床操作に伴う運動を正確に追跡し,リアルタイムに3次元座標を計測するための,計測計器一式を購入する.
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