研究課題/領域番号 |
23659283
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西川 元也 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40273437)
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研究分担者 |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30171432)
高橋 有己 京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00547870)
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キーワード | 細胞治療 / 体内分布 / イメージング / 細胞個性 / 細胞スフェロイド |
研究概要 |
人工多能性幹細胞(iPS細胞)が樹立されるなど、細胞治療に向けた環境が整備されつつある。しかしながらその実現には、体外から投与した細胞を長期間生存させるとともに、必要とされる局所でその生理機能を発揮させることが必須である。本研究では、細胞毎に大きく異なる個性に注目し、細胞を生体に投与したときの、1.生存期間(半減期)、2.体内分布、3.生理活性(薬理作用)を、治療効果を左右する要因として取り上げ、ドラッグデリバリーシステムの概念に基づき、遺伝子工学的手法と生物薬剤学的修飾法を駆使することで、「細胞個性に立脚したターゲティング型細胞治療システム」の開発を目指す。 初年度である平成23年度には、体内動態評価を目的としてレポーター遺伝子を導入した細胞株を樹立するとともに、投与した細胞の生存期間の延長化を目的に、最近注目を集めているスフェロイド化細胞の利用を試みた。均一なサイズのマイクロポケットを含むプレートを用いて、各種細胞のスフェロイド化を検討したところ、NIH 3T3、マウスβ細胞株NIT-1、MIN6、マウスマクロファージ様細胞株RAW264.7、初代培養脂肪由来幹細胞(ASC)を含む検討したすべての細胞種において、細胞スフェロイドの開発に成功した。スフェロイドのサイズは、マイクロポケットの大きさで制御可能であった。24年度には、作製したスフェロイドを利用した疾患治療の可能性について検証した。インスリン産生細胞であるNIT-1は、スフェロイド化によりマウス腎皮膜下に移植後の細胞生存率が改善した。そこで、NIT-1スフェロイドを糖尿病モデルマウスに移植したところ、細胞懸濁液投与よりも優れた血糖値抑制効果が得られた。
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