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2012 年度 実績報告書

トランスポゾンによる長期遺伝子発現型初代培養細胞の創製と細胞治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 23659284
研究機関京都大学

研究代表者

橋田 充  京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20135594)

キーワード遺伝子発現長期化 / トランスポゾン / 細胞・遺伝子治療
研究概要

本年度は、まず、昨年度に構築したpiggyBacトランスポゾン内にtdTomatoおよびGLucの発現配列を搭載した環状ドナーベクターを用いてマウス体内における遺伝子発現の確認を行った。ベクターをハイドロダイナミクス法で尾静脈より投与し、遺伝子発現を評価したところ、組み込みのおこらない場合と比較すると、血清中のGLucの発現ならびに肝実質細胞におけるtdTomatoの発現は、投与直後はほぼ同じであったが、GLucの発現持続および微弱ではあるがtdTomatoの発現持続が認められた。また、マウス骨髄より採取した初代培養間葉系幹細胞にトランスポゾンを用いてEmGFP配列を組み込むと、少なくとも約1か月間発現が持続した。これらの細胞は、組み込みのない細胞と同様に脂肪細胞などへ分化した。次に、治療法確立を目的とした新たなベクターの設計・構築および発現の評価を行った。ここでは、トランスポゾンと同様にゲノムへの目的配列の組み込みが可能で、かつ配列依存的に遺伝子が挿入されるphiC31インテグラーゼを用いて、肝再生を促進することが知られるHGFの配列をゲノムに組み込みが可能なベクターを作製した。まず、培養細胞でHGFの長期発現を確認し、次に、マウスの尾静脈よりハイドロダイナミクス法で投与したところ、少なくとも1か月は発現を持続させることができた。さらに、phiC31インテグラーゼを用いて、特定の遺伝子配列を認識するDNA結合タンパク質を両端に有するタンパク質を発現させて、ドナーベクターと組み込み先の配列をより近傍に配するベクターを構築した。これを用いると、目的とする組み込み先の配列近くへの遺伝子組み込みの効率を上昇させることができた。以上、本研究を通して、治療タンパク質の長期発現、さらに、特定の配列への組み込み効率を上昇させる可能性のある安全性の高いベクターの設計ができた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 哺乳類細胞におけるpiggyBacトランスポゾンを用いた遺伝子組込みに対してベクターの設計並びに投与量が与える影響2012

    • 著者名/発表者名
      中西秀之、樋口ゆり子、川上 茂、山下富義、橋田 充
    • 学会等名
      第35回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      福岡国際会議場・マリンメッセ福岡(福岡県)
    • 年月日
      20121211-20121214
  • [学会発表] 配列選択的DNA結合蛋白質を用いた位置選択的遺伝子組込み型ベクターの開発2012

    • 著者名/発表者名
      中西秀之、樋口ゆり子、川上 茂、山下富義、橋田 充
    • 学会等名
      第28回日本DDS学会学術集会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター(北海道)
    • 年月日
      20120704-20120705
  • [学会発表] 薬物治療とドラッグデリバリーシステム

    • 著者名/発表者名
      橋田 充
    • 学会等名
      薬工連携セミナー
    • 発表場所
      立命館大学びわこくさつキャンパス(滋賀県)
    • 招待講演
  • [図書] ナノバイオ技術と最新創薬応用研究、第5章 ナノバイオ技術を応用した薬物・細胞動態の制御と評価2012

    • 著者名/発表者名
      樋口ゆり子、橋田充
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      メディカルドゥ

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公開日: 2014-07-24  

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