研究課題/領域番号 |
23659291
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小笠原 康悦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (30323603)
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研究分担者 |
石井 智徳 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10282138)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 自己免疫疾患 / NK細胞 / 免疫学 |
研究概要 |
申請者は、自己免疫疾患をNK細胞やNKレセプターという独創的観点から研究を展開し、自己免疫性糖尿病の発症にNK活性化レセプターNKG2Dが深くかかわっていること、NK細胞活性が低下していることを報告した。本研究は、自己免疫疾患、特に自己免疫性(I型)糖尿病と全身性エリテマトーデス(SLE)におけるNK細胞活性の変化の分子機構を明らかにし、診断指標となる新規バイオマーカーを確立することを目的とし、研究を遂行している。自己免疫疾患におけるNK細胞活性の変化の分子機構の解明 自己免疫疾患においてNK細胞活性が変化するが、その分子機構についてはわかっていない。疾患モデルマウスからNK細胞を単離し、NK細胞の標的細胞認識に関わるレセプター群、NK活性化レセプターNKG2D, NKR-P1 (NK1.1)など、NK抑制性レセプターLy49A, Ly49Cなどの発現をフローサイトメトリーで測定した。NK細胞が樹状細胞との相互作用を検討した。これまでNK細胞は樹状細胞と相互作用することで活性化することが知られていた。本研究において、NK細胞が樹状細胞と接触することで、ドレス細胞と呼ばれる新たな細胞に変化することを発見した。この細胞は免疫抑制能を示した。NK細胞と樹状細胞との接触で、NK細胞の機能が正から負に変化することを発見した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自己免疫疾患モデルマウスの交配に時間がかかり、実験に必要な数の実験動物の確保に時間がかかってしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
自己免疫疾患モデルマウスの実験動物数を十分確保し、NK細胞の機能に関わる分子群を解析する。NK細胞は、細胞傷害活性およびIFNをはじめとするサイトカイン産生が主たる機能であることから、細胞傷害性に関わる分子の発現およびサイトカイン産生を測定し対照群と比較検討する。自己免疫疾患患者および健常人の末梢血よりリンパ球を単離し、NKG2Dなどの共刺激分子の発現を解析し検証する。これら細胞を培養し、各種Toll like Receptor (TLR)に対応するリガンドで刺激し、共刺激分子の発現および炎症性サイトカインの産生を検出する。加えて自己免疫疾患モデルマウス、野生型マウス、主任研究者が作製したRAE-1遺伝子導入マウスのリンパ球を採取し、NKG2Dリガンドなど共刺激分子のリガンドの発現を中心に解析しヒトデータと比較検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費に使用し研究成果を挙げるとともに、旅費、その他の費用を用いて、学会および専門誌にて研究の成果発表を行う。
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