研究概要 |
小児急性骨髄性白血病(AML)における微小残存病変(MRD)検出システムをフローサイトメトリー(FACS)法にて確立し、小児白血病リンパ種グンレープ(JPLSG)臨床試験の中央診断施設として、小児AML治療成績の向上の貢献している。 MRD定量システムを世界に先駆けて確立したSt.Jude小児病院の研究室(現在、国立シンガポール病院に研究室移転)に赴き、その技術を学び、三重大学研究室で小児AMLにおけるMRD検出システムの確立に取り組んだ。これまでに、多次元FACS法を用い、FITC/PE/PE-Cy7/PerCP/APC-H7で標識された16種類の抗体(CD4,7,11b,13,15,19,33,34,38,41,45,56,117,133,HLD-DR,anti-NG2)を組み合わせて、正常骨髄細胞に混合した白血病細胞株を10^4個に1個の精度で同定可能であることを確認した。また、京都大学医学部附属病院検査部においても、同様のMRD検出システムを導入するために、研究代表者の研究室に所属している、京都大学医学研究科人間健康科学系専攻検査技術科学コース大学院生(中村麻姫)が2度にわたり三重大学同研究室で研修を受はた。現在、小児AML患者検体(初発時、化学療法後)を用いて、MRD検出率を確認しており、平成24年度中に開始される再発AMLに対する臨床試験(AML-R11)において三重大学と京都大学で中央診断施設として検査を施行する。またダウン症候群に合併したAML(AML-DS)におけるFACSによるMRD検出システムの確立にも取り組んでおり、平成24年度中に開始されるAML-DSに対する臨床試験(AML-D11)においても、中央診断施設として検査を施行する。今後、再発AML,AML-DS検体で検出したMRD分画細胞を、免疫不全マウスで増殖し、抗癌剤感受性試験等、検討する。
|