研究課題
当初計画していた蛍光増強法であるIMPACTagの応用は、蛍光強度が理論値に達せず、またイムノクロマト法で使用した場合、目詰まりが起こり使用できなかった。これ等の困難を克服するため急遽、開発の方向を蛍光ナノビーズ標識に切り替え、蛍光検出器の開発で高感度化する方向性を取った。綿密なスケジュールのもと、これらの機器開発が企業との連携で完了し、高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1に対する抗体取得では、H5N1の亜型すべてに反応する抗体が得られた。季節性A型、B型も含め、培養ウイルス株を用いた検定では、蛍光イムノクロマト法の感度は10-1,000倍の高感度化が得られた。H5N1のトリインフルエンザ検出系では15分の検出時間で、従来より10倍高感度な測定系が完成した。季節性インフルエンザに関しては、昨年度より進めていた臨床試験が終了し、感度が従来法の100倍程度得られることが判明し、発症6時間以内でも陽性として検出できる感度であった。このため、厚生労働省への申請を行っている最中である。また、H5N1に関してはPMDAとの事前相談にて、アジア各国でのヒトサンプル使用が必須とのことであるため、現在ペンディングにしている。一方、子宮頚癌ワクチン効果判定イムノクロマト作製に関しては、パピローマウイルスのL1抗原の大量発現が実現できたことにより、開発の目的がほぼ達成できた。これらのアッセイ系を用いて、本年度までに延べ100例以上のワクチン接種対象者にて、血液中の抗体価を測定した結果、ワクチン接種回数に応じた抗体価の上昇が極めて正確に検出できたこと、ワクチン接種後でも抗体価が上がりにくい対象者、3回接種後には抗体価が下がる対象者がいることなど、多くの問題点が発見された。イムノクロマト法に関しては、今後迅速な判定療法として、今後臨床試験に向けた計画を立てる予定である。
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