最新3D-CTイメージを用いた高精度の神経ブロック法開発に加え、エネルギーの大きい重粒子線での神経ブロックの副作用可能性について検討した。特に3D-CTガイド下神経ブロックの血管系合併症の可能性について詳細に検討し解剖学的リスクを明らかにした。神経細胞の活動に対する神経ブロック・麻酔薬の影響について、主に抑制性神経伝達物質の経路に着目して電気生理学的検討も進めた。GABAやGlycineなどの伝達系に異常を持つ遺伝子改変動物をモデルとして、その分子生物学的異常と生理学的異常、行動学的異常の関係を解明しつつある。また、疼痛の下行性抑制系にも着目し、グリア細胞の挙動と疼痛回避行動の関係についても解析を行った。局所麻酔薬の徐放薬を作成し、高精度神経ブロックへの応用について臨床研究を開始した。
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