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2011 年度 実施状況報告書

水銀高摂取集団における血中セレンの化学形態別分布に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23659325
研究機関東京大学

研究代表者

渡辺 知保  東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70220902)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードメチル水銀 / セレン / 化学形態別分析 / 坂の摂取
研究概要

1.全血中ならびに血漿中の総セレン濃度を測定し,既に測定されていた全血中水銀濃度との関連を調べた.対象者の血中・血漿中セレン濃度は,これまで日本ならびに世界各地の沿岸集落住民(魚の摂取量が多い事が期待される)と比較して若干高値であった.全血中の総水銀と総セレン濃度,ならびに,全血中の総水銀と血漿中の総セレン濃度とは,いずれも同程度の強い相関(~0.4)を示し,過去の多くの集団における観察と一致した.水銀濃度については大きな性差(男>女)が認められたのに対し,セレン濃度については性差が認められなかった.なお,容量当たりの濃度としては,全血中セレンは血漿中セレンの2倍弱であった. 水俣病総合研究所において開発されていた魚の摂食頻度調査票で調べた魚・海産物の摂取頻度と水銀およびセレン濃度との関連を調べたところ,水銀濃度は摂取頻度と強く関連を示す一方で,セレン濃度は摂取頻度とはほとんど関連がないか,ごく弱い関連しか示さないことが明らかになった.2.高分子のセレンの形態別分析をHPLC-ICP-MSを用いて試験的に実施した.この結果をすでに同様の分析を行なってきている群馬大学の研究室でクロスチェックし,結果として良好であることが確認された.3.12月に連携研究者および関連研究に携わる研究者と会合を持ち,研究経過を発表するとともに,情報交換を行なった.魚・海産ほ乳類においては,水銀ならびにセレンの存在形態に大きな種差が存在するため,このような点を踏まえつつ研究を進展させていく必要があることが明らかになった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りに試料の分析が進み,水銀とセレンとの関連が確認できたとともに,海産物の摂取との関連で新たな知見が得られた.セレンの形態別分析については,分析条件を検討し分析が可能な状態となった.連携研究者とも情報共有し,方向性について検討することができた.

今後の研究の推進方策

高分子のセレンについての形態別分析条件が整ったことを踏まえ,実際の試料について分析を進める.一方で,血球中のセレンが増加しているのも明らかであり,その形態についても検討を進めたいと考えている.また,現地を訪れ,食生活などについての情報をさらに収集する予定である.

次年度の研究費の使用計画

主として化学分析のための試薬・消耗品,測定補助者の謝金に使用する.また,現地の調査旅費にも使用を予定している.可能であれば,現地対象者に対して結果の説明会を設けたいと考えている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考]

    • URL

      http://www.humeco.m.u-tokyo.ac.jp/jp/outline.html#5

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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