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2011 年度 実施状況報告書

ナノ磁性ビーズによる癌抑制遺伝子p21の活性化に有用な癌予防標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 23659335
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

飯泉 陽介  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20533178)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワードナノ磁性ビーズ / p21 / 結合蛋白 / ケミカルバイオロジー / 食品成分
研究概要

本研究は、ナノ磁性ビーズを用いたケミカルバイオロジーの手法により、p21を発現誘導することができる食品成分の癌細胞内における直接の結合蛋白(標的分子)を同定し、食品成分によるp21発現誘導の詳細な分子機構の解明と、それに基づくp21発現誘導を用いたより良い癌予防法の考案を目標としている。まず始めに、大腸癌細胞株であるHT-29細胞に対して、p21を発現誘導することが報告されている食品成分であるアピゲニン、フコキサンチン、アルテピリンCが、増殖抑制効果を発揮することを確認した。その増殖抑制を引き起こす濃度において、確かにp21が発現誘導されていることを確認した。次に、HT-29細胞の細胞抽出液を調製し、またこれら3種の食品成分をそれぞれ固定化したナノ磁性ビーズを作製し、結合蛋白の精製を行った。その結果、3種の食品成分に共通の結合蛋白として1種類の結合蛋白が見出され、アピゲニンとフコキサンチンに共通の結合蛋白として他に3種類の結合蛋白が見出された。さらに、それら共通の結合蛋白を質量分析計により同定することに成功している。現在、HT-29細胞において、これらの結合蛋白をRNAi法により発現抑制し、p21の発現との関連を調べている。 本研究により、食品成分の結合蛋白を比較することにより、食品成分が持つ有用な生理活性の元となる直接の結合蛋白を同定しうる可能性が示唆された。更なる結合蛋白の機能解析により、p21を発現誘導し癌予防に貢献しうる標的蛋白を発見できることが期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3種の食品成分に結合する蛋白の同定に成功した。また3種の食品成分に共通に結合する蛋白が、p21の発現誘導に関与しているかどうか検証しているところである。

今後の研究の推進方策

3種の食品成分について共通に見出された結合蛋白を、HT-29細胞においてRNAi法により発現抑制し、食品成分によるp21発現誘導と結合蛋白との関係を調べていく。

次年度の研究費の使用計画

RNAi法による結合蛋白の発現抑制と機能解析を行うために、siRNA、抗体、細胞培養実験用の試薬・キット・プラスチック製品の購入に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ケミカルバイオロジーを活用した抗癌剤開発と癌予防研究

    • 著者名/発表者名
      飯泉 陽介、後居和佳奈、谷口知行、大石正勝、曽和義広、酒井敏行
    • 学会等名
      日本ケミカルバイオロジー学会
    • 発表場所
      東京工業大学 大岡山キャンパス
    • 年月日
      2011年5月25日

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公開日: 2013-07-10  

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