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2012 年度 実績報告書

ナノ磁性ビーズによる癌抑制遺伝子p21の活性化に有用な癌予防標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 23659335
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

飯泉 陽介  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20533178)

キーワードナノ磁性ビーズ / p21 / 結合蛋白 / Akt / 食品成分 / ケミカルバイオロジー
研究概要

本研究は、p21を発現誘導することができる食品成分の癌細胞内における直接の結合蛋白(標的分子)を、ナノ磁性ビーズを用いて同定し、食品成分によるp21発現誘導の詳細な分子機構の解明と、それに基づくp21発現誘導を用いたより良い癌予防法の考案を目標としていた。始めに、大腸癌細胞株HT-29に対して、食品成分であるアピゲニン、フコキサンチン、アルテピリンCが、増殖抑制効果を発揮し、その時p21が発現誘導されていることを確認した。次に、HT-29細胞の細胞抽出液を調製し、またこれら3種の食品成分をそれぞれ固定化したナノ磁性ビーズを作製し、結合蛋白の精製を行った。その結果、3種の食品成分に共通する結合蛋白を1種類見出し、質量分析計により同定した。しかし、この蛋白をRNAi法により発現抑制しても、p21の発現に何も変化は起こらなかった。また、アピゲニンとフコキサンチンの2種に共通する結合蛋白として、3種類の結合蛋白を見出し、質量分析計により同定した。そして、その中の1つの結合蛋白をRNAi法により発現抑制すると、癌細胞の増殖が抑制され、癌において頻繁に活性化されているPI3K-Akt経路のAkt蛋白が減少することが明らかになった。
本研究により、PI3K-Akt経路を阻害しうる新規分子標的が見出された可能性がある。このことは、食品成分の結合蛋白を比較することにより、食品成分が持つ有用な生理活性のもととなる直接の標的蛋白を同定しうる可能性を示唆している。

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公開日: 2014-07-24  

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