最も重要な癌抑制遺伝子の一つである p53 は、p21 の発現を増強することで発癌を抑制している。これまでの研究で、p53 が失活している癌細胞に対して、複数の食品成分が p21 の発現を増強することが明らかになっていた。本研究では、これらの食品成分に共通して結合する蛋白をナノ磁性ビーズと質量分析計を用いて同定し、p21 の発現との関係を調べた。 残念ながら、共通で結合する蛋白は p21 の発現に関係していなかった。しかし、食品成分に共通で結合してくる蛋白の中に、癌で高頻度に活性化している Akt 蛋白の発現と癌細胞の増殖を制御している蛋白を見出すことに成功した。
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