研究課題
挑戦的萌芽研究
食物繊維の癌予防効果は限定的である。その原因として、抗腫瘍免疫を担う TRAIL の発現が、食物繊維の代謝産物である酪酸によって抑制されるためではないかと考えた。TRAIL 発現誘導能を有する乳酸菌を併用することにより、酪酸の癌予防効果が増強できるか検討した。ヒト末梢血単核球とヒト癌細胞の共培養モデルにおいて、酪酸と乳酸菌の併用試験を行った結果、顕著な併用効果が認められた。しかしながら予想に反し、酪酸によるTRAIL の発現量の減少は乳酸菌併用では十分に回復しなかった。さらに TRAIL 経路の阻害剤では、酪酸と乳酸菌の併用効果が減少しなかったことから、TRAIL 以外の因子が存在すると考えられる。本研究の成果として、酪酸による癌予防効果が乳酸菌の摂取により増強される可能性を示すことができた。今後、さらにこの現象のメカニズムの解析を進めていく。
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