動脈硬化への影響については、男性喫煙者においてH. pylori感染があることが促進因子である可能性が示唆されたが、喫煙者の受診者が少なく除菌の影響については有意差のある結果を得ることができなかった。血清脂質については、高齢者では胃粘膜萎縮が高度になると血清TC, TG値が低くなる傾向にあった。H. pylori感染と血清脂質の関連を調べる場合には胃粘膜萎縮の程度の影響も考える必要があることが示された。他の生活習慣病では、男性感染者においては胃酸分泌の低下により酸蝕が少なくなり、残存歯数が多い可能性が示された。骨減少症に関してはH. pylori感染の影響は明らかにできなかった。
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