研究課題/領域番号 |
23659349
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
岡本 幹三 鳥取大学, 医学部, 講師 (40032205)
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研究分担者 |
黒沢 洋一 鳥取大学, 医学部, 教授 (50161790)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | こころ / がん罹患 / がん死亡 / がん予防 / 生存解析 |
研究概要 |
こころとがんの発生およびがん死亡との関連性について明らかにするために、1989年4月から取り組んできた大規模コホートJACC-Studyにおける日南コホートデータと鳥取県がん登録データ(1989-2008年)を活用してがん患者の記録照合を行い、まず鳥取県がん登録から得られるがん患者の登録情報を追加・統合した日南コホート解析用データベースの構築を行った。また、日南コホートデータにおける調査項目の整理・加工・再定義ならびに社会心理学的要因の定義項目を再検討し解析に備えた。次いで、解析方法は横断的にはロジスティック回帰モデル、縦断的追跡コホートとしてCox 比例ハザードモデルを適用することに決定した。その結果、パイロットスタディーとして、生き甲斐やストレスおよび生活満足度などの生活状態が、がんの発生や死亡にどの程度関係しているかを予測するため、クロス集計や多変量解析による要因分析を試験的に行い、データの加工や定義の再検討が必要であることがわかった。現在、その問題点について検討しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(理由)鳥取県がん登録データとJACC-Study における日南町コホートデータを活用した記録照合であるので比較的加工処理はスムーズに進めることができるが、入力様式の違いがあり、多少データの定義づけ等でつまづく点もあったが、全体的に今年度の計画としてのデータの結合および加工に関する作業目標は達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
日常的な生き甲斐やストレスおよび生活満足度などの生活状態ががんの発生ならびにがん死亡にどうかかわっているか、についてロジスティック回帰モデルとCoxの比例ハザードモデル(生存分析)により明らかにする。また、がん罹患よりがん死亡により強く関係しているかどうかについても比較検討し、がんの生命予後に日常的な主観的健康度が深くかかわっていることを明らかにしていきたい。さらには、今やがんは不治の病ではなく、こころの持ち方が重要な鍵となるかどうか検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度に作成した日南コホートこころとがん結合解析用データベースを利用して、社会心理学的要因から見た、こころとがん罹患およびがん死亡に関する要因分析をロジスティック回帰モデルとCoxの比例ハザードモデル(生存分析)から多変量解析を行う。次いで、生き甲斐やストレスおよび生活満足度などの主観的健康度とがんの発生やがん死亡との関連性について社会心理学的視点から考察し、まとめを行う。最後に本研究成果を学会発表したり、報告書を作成したり、論文にまとめて投稿する。なお、次年度使用額(2,557円)が生じたのは、2月の時点でゼロ円にしたつもりが、決済の遅れで正確な残額が確認できず3月末になってはじめて当該残額が報告され把握できたためである。その時点で事務に相談し、次年度繰越をしても良いということであったので事務の判断に従い、次年度回しとした。
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