研究課題/領域番号 |
23659363
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
佐田 文宏 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 特任研究員 (90187154)
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研究分担者 |
小海 康夫 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20178239)
西條 泰明 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70360906)
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キーワード | 健康管理 / 糖尿病 / リスクテスト / インスリンパワー / 日本人 |
研究概要 |
これまでに、留萌市においてボランティア住民を対象に、問診票、食物摂取頻度調査等の質問紙調査、インスリン分泌能とインスリン抵抗性を評価するインスリンパワー健診及び体質検査を実施した。インスリンパワー良好群では不良群に比べ、BMIが有意に低く、高血圧の既往の割合が有意に低く、肥満と高血圧の既往はインスリンパワーを弱める要因であること及びインスリンパワーは2型糖尿病への進展を予防する要因であることが示唆された。これらを踏まえ、平成25年度は、効果的な保健指導プログラムの検討、他地域との比較及び2型糖尿病のリスク要因の検討を行った。栄養・運動指導、講話を組み合わせた6ヵ月単位の予防教室による集中的な保健指導において、肥満とインスリン抵抗性の改善は、効果的であることが示唆された。また、肥満の有無で睡眠時間による糖尿病発病リスクに違いがあるのか検討した。3569名を解析対象者とした。睡眠時間の影響リスク評価のため、交絡要因を聴視したにロジステック回帰分析を行った。新規糖尿病発症者数は121名。 肥満群の糖尿病発病率は、非肥満群に比べ有意に高かった。睡眠>7時間を基準とした時、肥満群は、睡眠時間が短くなると発病リスクが有意に高くなった。特に睡眠≦5hのORは5.16(95 % CI: 1.11-23.91)と有意に高かった。非肥満群では、有意な関連はみられなかった。短時間睡眠の肥満者に対して、より重点的な減量指導が有効な糖尿病予防になると考えられる。さらに、メタボリック症候群などに関連する各種遺伝子系を探索することを目指して、動脈硬化症SNPS62種類を検討するための採血とSNP解析を実施した。SNPは山崎らの開発した方法(Diabetes Care 2006;29:2445-2451)他を参照した。今後これらを基に、糖尿病リスクテスト・糖尿病予測関数の開発を行う予定である。
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