研究課題/領域番号 |
23659369
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
松本 博志 札幌医科大学, 医学部, 教授 (60263092)
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研究分担者 |
長峯 隆 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10231490)
原田 邦明 札幌医科大学, 医学部, 訪問研究員 (50423760)
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キーワード | アルコール / 中枢神経系 / fMRI / 脳磁図 |
研究概要 |
本年度は臨床研究であること、濫用性のある薬物の使用であるため、倫理委員会にて慎重審議を依頼し、その承認を取ってから試行することにした。承認が下りるのに時間を要したため、年度内に研究を終了することができなくなり、次年度に延長申請をおこなった。fMRIを使用するプロジェクトについては承認後、施行した。毎週木曜日の午後6時以降の診療時間外で使用できる日のみに実験を行い、さらに同一人でアルコール入り飲料とコントロール飲料を摂取する2回の実験を行った。つまり被験者1人あたり2日の試行日を要するため、年度末で被検者は13人であった。この研究のポイントはアルコール摂取後、低濃度域に達した段階でのアルコールの中枢神経に及ぼす影響をfMRIと脳磁図で見出そうとするものである。fMRIで解析するプロジェクトでは単純な色で識別される映像をみてボタンを押すというパラダイムで行った。結果としてアルコール低濃度域では停止反応時間が有意に遅延するという現象を見出した。これはいままでの眼振や筋電図異常との報告とは異なる新しい知見である。つまり、中枢神経系での処理に影響が出たことを示す。さらにfMRIの画像解析もすすめており、その中枢反応部位も次年度には判明するものと期待される。一方、脳磁図を使ったプロジェクトは、施設同意を得るのに年度一杯かかったため、次年度での研究遂行となった。そのため、期間延長申請をして、その研究を次年度施行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
倫理委員会承認の遅れと、他施設倫理委員会承認の遅れによる。ただし、fMRIについては順調に計画遂行できており、一方、他施設の脳磁図装置を使う研究が未施行である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、脳磁図に関する研究を施行する。パラダイムについてはすでに脳磁図で用いられている時間分解能の高いものを使用する予定ではあるが、fMRIの解析結果で中枢神経部位がある程度同定された場合は、その部位を抽出するのに適したパラダイムを選択する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品として、他施設での研究となるために、軽量ノートパソコンとポータブルハードディスク。結果が明らかになるため、学会発表の旅費、共同研究者間の研究打ち合わせ旅費、被験者謝金、論文校正料、論文投稿料、報告書印刷料等に使用する。
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