研究概要 |
マウスにアセトアミノフェン(APAP)400 mg/kgを腹腔内投与して肝障害を惹起させたところ,投与後24時間で肝組織において著明な出血および小葉中心性の肝細胞壊死などの変化を認めた.HMGB1遺伝子発現はコントロールと比べてAPAP投与後24時間において有意に亢進しており,HMGB1のタンパク発現を正常肝では肝細胞核に,APAP投与後肝では肝細胞質に認めた.APAP投与により肝臓において炎症を伴ったHMGB1放出が増加することが示され,HMGB1動態が法医実務においてAPAP中毒の有用な指標となり得る可能性が示唆された.
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