研究課題/領域番号 |
23659376
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
秋下 雅弘 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (00261975)
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研究分担者 |
山口 潔 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20451817)
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キーワード | 認知症 / QOL / バイオマーカー / コミュニケーション / 医療提供 |
研究概要 |
認知症患者に対する医療提供を困難にするのは、コミュニケーションが取れない点である。せめてQOLを評価して患者の気持ちを推し量ることができれば、医療適応の判断や治療効果の判定に役立つと期待できる。そこで、簡便なQOL指標を評価し、また他覚的評価として、顔写真による表情解析や生化学的・生理学的マーカーの探索を行うことが本研究の目的である。 平成24年度は、物忘れ精査入院患者(正常~中等度に進行した認知症)を50症例登録した。心理検査(認知機能、うつ状態の評価)、高齢者総合機能評価、意欲評価、QOL評価(SF-8)、気分・食欲・睡眠・全般的健康感・生活満足度・主観的幸福度を6段階のVASで自己評価。顔写真を撮影し、5名の看護師・5名の医師で推定年齢、基本6感情(喜び、驚き、悲しみ、嫌悪、恐怖、怒り)を6段階のVASで他覚的に評価し、表情解析を行っている。別途、簡易な「幸福度、苦痛度」の2項目の評価も行った。現在、中途解析中である。 さらに、動脈硬化、身体機能、骨格筋量、筋力、食事・栄養調査、活動度評価も行っており、総合的に認知症患者のQOLと関連する指標の探索を行っている。また、顔写真撮影と同時に、ストレスマーカーとして唾液中のアミラーゼ濃度を測定し、さらに唾液を保存してコルチゾール、クロモグラニンAを測定予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今後、高度に進行した認知症患者においての評価も行うことを予定しており、老年病科病棟で、入院患者での研究体制を整えた。医師だけでなく、臨床心理士、看護師の協力を得て、おおむね順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は症例登録が50症例であったが、体制が整ったことで、今後、週3名新規登録を目標とし、正常~高度に進行した認知症患者まで合計200例データを集積して解析を行う。さらに、これらの結果をもとに、ケアや指導、薬物療法などの効果を検討していく予定であり、計画通り順調に遂行できると見込まれる。
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次年度の研究費の使用計画 |
引き続き、患者検体のアッセイを行うためのキットとその際に使用する消耗器具、試薬と外注検査代、これらを実施する研究補助員の人件費に主に充当する。また、成果を社会に発表するため、国内学会参加費、外国語校閲、論文投稿代に使用する予定である。
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