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2012 年度 実施状況報告書

幹細胞を中心とした細胞供給システムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23659384
研究機関札幌医科大学

研究代表者

鈴木 秀一郎  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90532929)

キーワード幹細胞 / 老年医学 / パーキンソン病 / 6-OHDA / 骨髄間葉系幹細胞 / チロシンヒドロキシラーゼ
研究概要

平成23~24年度にかけ6-OHDA線条体導入片側パーキンソン病モデルラットを作製し2週間後、正常ヒト骨髄間葉系幹細胞(hMSC)を静脈内に投与してその効果を検討した。行動学的評価としてメタンフェタミンの腹腔内投与による異常旋回運動を確認し細胞投与群と非投与群で比較した所、投与2週間後よりメタンフェタミン誘導旋回運動の改善を認めた。また、経時的に行動解析を行い、この改善効果は少なくも細胞投与12週後まで持続していることを確認した。12週後のラットを灌流固定、脳凍結切片を作製し、中脳黒質に対してチロシンヒドロキシラーゼ(TH)染色を行った。ステレオロジーの手法を用いた免疫組織学的半定量解析では有意に細胞投与群のTH陽性細胞数が多かった。現在、細胞投与4週目のラットにおいても同様にTH免疫組織学的半定量解析を行うとともに、投与したhMSCの細胞動態やミクログリアの増生、シナプス密度などにも着目した免疫組織学的解析をすすめ、細胞投与群における改善効果の機序について研究をすすめる予定である。
また、神経変性疾患(特にアルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症を対象とする)患者及び正常対象者の末梢血から骨髄間葉系幹細胞(PMSC)を得、これら3疾患を含んだ神経変性疾患以外の患者群のPMSCと比較を行うため、臨床研究審査委員会、倫理委員会から承認を得た。現在正常対象者のPMSC分離、培養中を行うために分離方法、培養液の組成などを調整中であるが質的量的に安定したPMSCが得られず検討を重ねている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上述したとおり、正常者対象者のPMSCの分離、培養し解析を行うために、色々な条件のもと試行を重ねているが困難な状態にある。パーキンソン病モデルラットにおける骨髄間葉系幹細胞の投与は効果がえられており順調にすすんでいる

今後の研究の推進方策

6-OHDA導入片側パーキンソン病モデルラットに対する正常ヒト骨髄間葉系幹細胞の静脈投与による行動薬理学的、免疫組織学的改善効果の機序に関して解析を進める。また、アルツハイマー病遺伝子改変マウスに対しても同様の方法で改善が得られるか検討を進める予定である。
また、神経変性疾患患者(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症)の末梢血由来骨髄間葉系幹細胞(PMSC)と非神経変性疾患患者のPMSCを安定した分離・培養方法を探索し得られたPMSCから増殖能、神経系への分化能、遊走能や生着能(ケモカインの産生や接着因子の発現)、栄養因子の産生能に着目して多角的に比較解析を行う。

次年度の研究費の使用計画

予定した末梢血由来骨髄間葉系幹細胞を採取・培養するための細胞培養試薬・器具や各種試薬が上記理由のため進んでおらず、次年度に使用する計画である。引き続き、実験動物の飼育料、細胞培養試薬、器具、試薬等の為の部品費に使用する計画である。また、学会発表、論文作成費を研究費として計上予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 3-[(2,4-Dimethoxy) benzylidene]-anabaseine dihydrochloride protects against 6-hydroxydopamine-induced parkinsonian neurodegeneration through α7 nicotinic acetylcholine receptor stimulation in rats.2013

    • 著者名/発表者名
      Suzuki S, Kawamata J, Matsushita T, Matsumura A, Hisahara S, Takata K, Kitamura Y, Kem W, Shimohama S
    • 雑誌名

      Journal of Neuroscience Research

      巻: 91(3) ページ: 462-71

    • DOI

      10.1002/jnr.23160

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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