摂食障害は若年女性に好発する難治な疾患であり,その病因は未だ解明されていない.その糸口として「体形の不満」注目し,体形の不満の形成に深く関わると考えられている体形比較の際の脳活動を測定した. 後頭葉の体形処理に関連する部分と扁桃体の活動が痩せている他者との体形比較の際に患者群で活動が上昇しており,単なる体重推定や,「標準体形」や「肥満体形」では明らかではなかった.体形の不満はマスメディアなどに登場する,痩せている他者との体形比較をすることによって生じると考えられており,今回の結果はやせを美しいとする文化やマスメディアの与える影響の生物学的な側面を解明する糸口になる可能性が示唆された
|