研究課題
免疫増強技術であるアジュバント(ケモカイン)製剤に関して、肝がんに対する局所療法(RFAなど)と樹状細胞免疫治療に併用する手法の開発(1)-(3)を3年間にわたって実施した。(1)樹状細胞の誘導培養法の検討(ex vivo): 末梢血単核球から得られたCD14(+)接着細胞を分離して、GM-CSF、IL-4を含む培養液中で7日間培養した。各種培養法に関する検討の結果、OK-432と亜鉛を用いる新たな樹状細胞の誘導法が示唆された。(2)肝がん再発モデルにおけるアジュバント製剤の前臨床試験(in vivo): ケモカイン製剤(ECI301)をマウス肝がんモデルに用いてラジオ波焼灼療法(RFA)との併用による効果を検討した。その結果、末梢血中の抗原提示細胞と本製剤の作用によって、腫瘍局所における感作反応が全身のがん免疫を賦活し二次発がんを抑制することが示された。(3)アジュバント製剤の改良: 当初計画されていた安全性臨床研究の実施前にさらなる治療効果を向上させる目的で、アジュバント製剤のひとつであるケモカインCCL2/MCP-1について生物学的安定性を改良した。具体的には、他のケモカインCX3CL1の細胞膜結合ドメインを融合した組換タンパクmMCP-1を作製した。その結果、mMCP-1はマクロファージ、CD4・CD8(+)Tリンパ球の強い活性化を介して高い抗腫瘍効果を発揮した。これより、本研究の基礎的・前臨床的検討の結果は、肝がんに対するRFA併用樹状細胞治療に用いるアジュバント製剤の開発に寄与するとともに、治療後の二次発がんの制御に有望であると考えられた。
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