研究課題/領域番号 |
23659399
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
樋本 尚志 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20325343)
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研究分担者 |
羽場 礼次 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (90304584)
舛形 尚 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (70263910)
正木 勉 香川大学, 医学部, 教授 (30335848)
千田 彰一 香川大学, 医学部附属病院, 教授 (30145049)
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キーワード | CD36 / OxLDL / インスリン抵抗性 / CD14 |
研究概要 |
CD36欠損症の頻度について対象患者のうち19例について末梢血中の血小板および単級におけるCD36の発現をフローサイトメトリーで解析した。19例中1例(5.3%)に2型CD36欠損症を認めたが1型の欠損症はみられなかった。CD36欠損症の症例が非常に少数であったっため,CD36欠損症とCD36の発現が正常である患者との臨床パラメーターの比較はできなかった。 次に,前年度の研究で肝臓組織におけるCD36分子の発現は類洞に認めらることを明らかにしたが,本年度はCD36陽性の類銅はCD14とmergeすることを免疫染色(二重染色法)で確認した。この結果から,CD36陽性の類銅はKupffer細胞であることが示唆された。 さらに抗ウイルス療法(PEG-IFN単独またはPEG-IFN+ribavirin)による血清sCD36,oxLDL値の変動について対象患者のうちの11例で解析を行った。抗ウイルス療法により血清oxLDL値は低下する傾向を示した(2.95+2.99 vs 1.61+1.06 uMlo/ml, p=0.0598)。血清中のsCD36値も低下傾向にあった (192+71 vs 156+44 pg/ml, p=0.1635) が,oxLDL/sCD36比においては有意な変動はみられなかった (11.3+8.7 vs 10.7+6.9)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
対象患者におけるCD36遺伝子解析までには至っていないが,CD36陽性の類洞がKupffer細胞であることを明らかにすることができた。また,対象患者におけるCD36欠損症の頻度についても算定することができた。さらに,抗ウイルス療法による血中sCD36およびoxLDL値の変動も解析できた。 以上より,当初計画した項目については概ね解析できたものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は,今までの研究成果を4月に行われる第5回前糖尿病とメタボリックシンドロームに関する国際会議で,6月には第49回日本肝臓学会でそれぞれ発表する予定である。さらには,これらの研究成果を論文にまとめる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた学会が延期となり、残額が発生した。次年度使用額については,上記の学会参加に使用予定である。また、今までの研究成果を論文にまとめ,投稿する予定である。
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