研究課題/領域番号 |
23659400
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
篠村 恭久 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90162619)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 胃癌 / 癌間質 / エピジェネティクス / メチル化 / 癌幹細胞 |
研究概要 |
臨床検体から得られる間質のエピゲノム解析を行うには、微量検体におけるDNAメチル化やヒストン修飾の解析手法の確立が必須である。我々はこれまで、メチル化CpGアイランドを増幅するMethylated CpG island amplification (MCA)法を用いて多くのメチル化遺伝子を同定してきた。MCA法の条件を検討することで、100 ngのスタート量からもメチル化CpGアイランドを増幅可能なことが検証された。MCAの増幅産物をカスタムCpGアイランドマイクロアレイで解析することで、ゲノムワイドなDNAメチル化解析を低コストで行うことが可能である。また、ヒストン修飾を解析するためのクロマチン免疫沈降(ChIP)法の条件を最適化することで、1×10の5乗個の細胞からChIP実験を行うことが可能となった。ChIP産物からフラグメントライブラリを作成し、SOLiD4シークエンサーを用いてゲノムワイドなヒストン修飾解析を行うことが可能である。今年度はMCA法およびChIP法の最適化を完了させ、臨床検体におけるエピゲノム解析を開始することができた。 さらに我々はnon-coding RNA発現プロファイル解析から、消化管間質腫瘍においてmiR-196aとlincRNAであるHOTAIRが悪性度と強く相関することを明らかにした。miR-196aおよびHOTAIRの高発現は、高悪性度、高転移性の消化管間質腫瘍に特徴的に見られることから、重要な予後予測マーカーおよび治療標的となりうると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微量な臨床検体からのエピゲノム解析には、MCA法およびChIP法の条件最適化を必須である。これをクリアすることに成功し、臨床検体からのエピゲノム解析をスタートすることができた。また内視鏡的に切除された胃癌検体から、腺管分離法を用いて大腸癌腺管と残りの間質部分とに分離する実験に成功した。さらに、腫瘍関連non-coding RNAを複数同定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
エピゲノム解析を行う症例数を増やしてデータを蓄積する予定である。癌細胞と癌間質とのDNAメチル化、ヒストン修飾を比較検討し、癌間質特異的な変化を検出する。さらに遺伝子発現、miRNA発現などのトランスクリプトームと、エピゲノムデータとのシームレスな統合解析を推進する必要がある。そのため、Gene Spring GX、Avadis NGSなどのアプリケーションを用いた解析を今後推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は、実験条件の最適化を中心に行ったため、マイクロアレイ試薬の購入量が当初予定よりも少なく済んだため、一部を次年度に繰り越した。次年度は臨床検体におけるメチル化プロファイルとカスタムCpGアイランドマイクロアレイを用いて解析する。さらにヒストン修飾を、SOLiD4シークエンサーを用いて解析する。同定した遺伝子のメチル化をパイロシークエンサーを用いて解析する。これらの解析のために試薬消耗品を購入する。
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