疾患の罹患しやすさや薬物応答性には男女差がある。そのメカニズムとして、Y染色体上のSRY遺伝子により決定される雌雄異なる性腺、およびそこから分泌される性ホルモンの影響が良く知られている。ところが、XY染色体の違いも男女差の一因となる可能性がある。なぜなら、約80遺伝子からなるY染色体は男性にのみ存在し、女性(XX)でX染色体の不活性化が約10%の遺伝子(約100遺伝子)では起こらず、これらの遺伝子のコピー数が2倍となるためである。ところが技術的なハードルが高く、XY染色体問題はほとんど解明されていない。今回、XY-SRYマウスとXXマウスを交配することにより、XX♀、XX♂、XY♀、XY♂の4系統のマウスを作成し、循環器機能のベースラインデータを収集した。
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