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2012 年度 実績報告書

心筋疾患の病態形成基盤となるZ帯異常解明の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 23659414
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

木村 彰方  東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (60161551)

キーワードZ帯 / 循環器疾患 / 心筋症 / 不整脈 / 遺伝子変異 / SLMAP / ZASP / 細胞内輸送障害
研究概要

心筋症および不整脈の病因・病態形成におけるZ帯構成要素の機能連関に着目し、Z帯機能の構築と伝導機能維持の分子機序を解明するとともに、治療薬のシーズともなる機能修飾低分子化合物を探索することを目的とした。Z帯構成要素であるZASPの変異は拡張型心筋症と不整脈をもたらすが、不整脈発症メカニズムとして、ZASP変異特異的に心筋Naチャネル(SCN5A)の機能不全をもたらすことを明らかにした。また、T管やZ帯に分布するSLMAPの2つのミスセンス変異がBrugada症候群の原因となることを明らかにしたが、いずれの変異ともSCN5Aの細胞内輸送障害による機能不全を生じることを解明した。さらに、Brugada症候群患者にSCN3B変異を同定したが、この場合にもSCN5Aの細胞内輸送障害による機能不全を生じていた。一方、SCN5A、SCN3B、SLMAP、ZASP間の結合を検討したところ、SCN5AとSCN3Bは結合するが、SLMAPもZASPもSCN5Aとの直接の結合は認められず、マクロ複合体を構成することでSCN5A機能を制御すると考えられた。また、正常ないし変異SLMAPを導入したHEK細胞を用いて、SCN5Aの細胞内輸送障害機構を検討したところ、siRNAによってSLMAPの発現を抑制すると、変異の存在下にのみ細胞内輸送が是正された。一方、COP阻害剤、EDTA、熱処理などはSLMAP変異に起因する細胞内輸送障害を是正できなかった。これらとは別に、新規の心筋症原因遺伝子として多数のミオパラジン変異を同定し、その機能異常を解明した。さらに、M21トランスジェニックマウスではMYPT1のリン酸化が亢進していること、Rhoキナーゼ阻害剤の投与で病態が改善することを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Novel SCN3B mutation associated with Brugada syndrome affects intracellular trafficking and function of Nav1.52013

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa T
    • 雑誌名

      Circ J

      巻: 77 ページ: 959-967

    • DOI

      10.1253/circj.CJ-12-0995

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular basis for clinical heterogeneity in inherited cardiomyopathies due to myopalladin mutations2012

    • 著者名/発表者名
      Purevjav E
    • 雑誌名

      Hum Mol Genet

      巻: 21 ページ: 2039-2053

    • DOI

      10.1093/hmg/dds022

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Loss-of-function of hNav1.5 by ZASP1-D117N associated with intraventricular conduction disturbances in left ventricular noncompaction2012

    • 著者名/発表者名
      Xi Y
    • 雑誌名

      Circ Arrhythm Electrophysiol

      巻: 5 ページ: 1017-1026

    • DOI

      10.1161/CIRCEP.111.969220

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A novel disease gene for Brugada syndrome: sarcolemmal membrane-associated protein gene mutations impair intracellular trafficking of hNav1.52012

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa T
    • 雑誌名

      Circ Arrhythm Electrophysiol

      巻: 5 ページ: 1098-1107

    • DOI

      10.1161/CIRCEP.111.969972

    • 査読あり
  • [学会発表] ブルガダ症候群患者に見出されたSLMAP変異とその機能解析

    • 著者名/発表者名
      石川泰輔
    • 学会等名
      第57回日本人類遺伝学会
    • 発表場所
      東京

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公開日: 2014-07-24  

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