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2011 年度 実施状況報告書

転写因子機能メカニズムの汎用解析システムの創出

研究課題

研究課題/領域番号 23659425
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

中川 修  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40283593)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード転写調節因子 / 先天性心血管奇形
研究概要

心血管系の分化・形態形成と成熟機能の調節メカニズムの解明は循環器内科学の重要な課題である。転写調節因子(転写因子)は、多様なコファクター、クロマチン修飾酵素と転写複合体を作って多数の下流遺伝子群の発現調節に働き、発生シグナル・病的刺激などから伝わる生命情報を細胞・組織・個体全体の機能や形質の劇的な変化へとつなげる。遺伝子発現調節の多様性の根幹である、転写複合体形成やターゲット下流遺伝子の詳細を知ることは非常に重要である。今回、私たちが以前同定したHrt2転写因子を最初のターゲットとして選択し、新しいコファクター・下流遺伝子解析法を用いて転写因子の機能メカニズムを明らかにすることを試みる。本年度の研究において、Tandem Affinity Purification Tag融合Hrt2(TAP-Hrt2)の発現系を作製し、培養細胞系にTAP-Hrt2を発現させ、TAP精製の手技および効率の検討を行った。TAP-Hrt2は培養細胞において安定した発現を示し、Tandem Affinity Purificationによる既知の複合体形成因子の精製も可能であることが明らかになった。現在、TAP-Hrt2分子が内在型のHrt2と同様の転写因子機能を保持しているか、さまざまな実験系を用いて検討している。また、TAP-Hrt2を部位および時期特異的に発現するマウスを作製するためのシステム構築を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の研究において、Tandem Affinity Purification Tag融合Hrt2(TAP-Hrt2)のプラスミド発現系を作製した。様々な培養細胞系にTAP-Hrt2を発現させ、TAP精製の手技および効率の検討を行った。TAP-Hrt2は培養細胞において安定した発現を示し、既知の複合体形成因子の共精製も可能であることが明らかになった。この結果を中心に、TAP-Hrt2を部位および時期特異的に発現するマウスを作製するための情報がそろいつつあると言える。

今後の研究の推進方策

本年度において行った培養細胞系を用いた解析を続行しながら、マウスを用いたin vivo解析を進めるためトランスジェニックマウス系の確立を試みる。さらに年度後半ではトランスジェニックマウスの検証(TAP-Hrt2の発現パターンなど)とトランスジェニックマウスを用いたin vivo環境におけるHrt2機能メカニズムの生化学的・分子生物学的解析を行う計画である。

次年度の研究費の使用計画

本年度の研究と同様に培養細胞系を用いた解析を続行しながら、マウスを用いたin vivo解析を進めるためトランスジェニックマウス系の確立を試みることに研究費を使用し、後半ではトランスジェニックマウスの検証(TAP-Hrt2の発現パターンなど)とトランスジェニックマウスを用いたin vivo環境におけるHrt2機能メカニズムの生化学的・分子生物学的解析に研究費を使用する計画である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 心臓発生に働く転写調節因子の心肥大・心機能調節における意義2011

    • 著者名/発表者名
      中川修 林寿来 坂部正英
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 237 ページ: 683-687

  • [学会発表] Roles of Hairy-related transcription factors in developing vascular endothelial cells2012

    • 著者名/発表者名
      森岡崇 林寿来 井岡朋子 坂部正英 木村弘 中川修
    • 学会等名
      日本内科学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2012年4月14日
  • [学会発表] Roles of Hairy-related transcription factors in developing vascular endothelial cells2011

    • 著者名/発表者名
      Takashi Morioka, Masahide Sakabe, Hisaki Hayashi, Tomoko Ioka, Tomoko Fujita, Genki Sato, Munehiro Ito, Ken Inada, Manuel F. Utset, Eric N. Olson, Hiroshi Kimura, Osamu Nakagawa
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011年12月13日

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公開日: 2013-07-10  

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