研究課題
(1)我々はこれまでにヒト心臓線維芽細胞の培養に成功し、ヒト心筋リプログラミング因子のスクリーニングシステムを確立した。まずGata4, Mef2c, Tbx5の3つの遺伝子で心筋リプログラミングを試みたがヒト線維芽細胞からの心筋誘導には不十分であることを見出した。そこで新たに心筋細胞特異的に発現している11遺伝子を用いてヒト心筋リプログラミング因子のスクリーニングを行った。その結果GMTにさらに2因子(Myocd, Mesp1)を加えて5因子(GMTMM)にすることでヒト心筋リプログラミング効率が著明に改善することを見出した。(2)GMTにさらに2因子を加えた5因子による心筋誘導のマイクロアレイ解析を行った。その結果、心筋遺伝子群の上昇と線維芽細胞遺伝子群の低下などグローバルな心筋細胞様の遺伝子発現パターンの変化を確認した。(3)また免疫染色法によりヒト誘導心筋細胞でさまざまな心筋特異的遺伝子の発現、Caイメージングで自発的な細胞内Ca濃度の変化など心筋に特徴的な生理機能も確認できた。(4)ラット心筋細胞との共培養実験でヒト誘導心筋は周囲の細胞と協調して拍動すること、心筋に特徴的な活動電位を記録した。以上よりGMTMMにより誘導されたヒト心筋様細胞は心筋特異的な遺伝子発現を示し、心筋に特徴的な生理機能も確認できた。本研究はPNASに2013年に論文報告し、国内外で大きな反響があった(Wada et al, PNAS,2013)。
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