研究課題
PDGF-BB とPDGFR-β受容体の結合阻害活性を持つペプチドをAHB(antigen homology box)モチーフの推定法(Nat Med. 1:894-901, 1995) を用いてコンピューター下に設計した。肺線維芽細胞の増殖抑制効果を指標にスクリーニングを行い、PDGF-BB刺激による肺線維芽細胞の増殖を最も強く抑制するペプチドとして、ペプチドXを同定した。まず最初にペプチドXの肺線維芽細胞への結合について検討した。蛍光標識したペプチドXを肺線維芽細胞に作用させ蛍光顕微鏡下に観察すると、コントロープペプチドに比較してペプチドXの肺線維芽細胞への強い結合が観察された。また、フローサイトメトリー法においてもペプチドXの肺線維芽細胞への結合が観察された。昨年度までの検討で、ペプチドXがPDGF刺激のみならず、FGF-2やIGFによる増殖に対しても弱い阻害活性反応性を示したことから、受容体特異性について再度検討を行った。その結果、ペプチドXはPDGF-BBと比較して、程度は弱いものの他の増殖因子刺激に対しても抑制作用を有することが明らかとなった。一方、ペプチドXの吸入による抗線維化効果が、マウスブレオマイシン肺線維症モデルで確認されていることから、複数の増殖因子に対して活性阻害作用を有する特徴は抗線維化薬として有用な側面であると考えられた。一方、ペプチドXと同様にヒトPDGF受容体阻害作用を有するペプチドの同定には至らなかった。
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