研究課題/領域番号 |
23659438
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森 建文 東北大学, 大学病院, 准教授 (40375001)
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研究分担者 |
伊藤 貞嘉 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40271613)
高橋 信行 東北大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40588456)
金田 朋洋 東北大学, 大学病院, 助教 (50323019)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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キーワード | 腎血流 / ミトコンドリア / 酸化ストレス |
研究概要 |
1.タモキシフェン誘導Prolyl hydroxylase (Phd)1やPhd2ノックアウトマウスの作成:Phd1 およびPhd2 のコンディショナルノックアウトマウスを作製するためにPhd3種類の遺伝子領域をCreリコンビナーゼ標的配列loxPで挟んであるPhd1Phd2Phd3floxマウスから交配とジェノタイピングを繰り返し、Phd1floxおよびPhd2floxマウスを選択し繁殖させた。さらにこれらのマウスとRosaCreマウスを交配し、タモキシフェン誘導性全身性Phd1およびPhd2ノックアウトマウスを作製した。2.マイクロダイセクション法による尿細管の単離灌流と蛍光イメージング法による尿細管ミトコンドリア酸化ストレスの評価:ラットのヘンレのループ太い上行脚を単離灌流し、ミトコンドリア特異的酸化ストレスの蛍光色素によりリアルタイムイメージングの系を確立し、低酸素下におけるミトコンドリア酸化ストレスの亢進を確認した。マウスヘンレのループ太い上行脚に対する単離灌流実験系を開発中である。3.慢性腎臓病における酸素代謝病態解明:ラットを麻酔し、腎髄質血流および局所酸素濃度をそれぞれレーザードップラー法と酸素電極法で測定した。腎動脈の虚血再灌流により腎髄質血流が低下した。この反応はミトコンドリア内活性酸素の消去剤であるMito TEMPOの投与により、有意に改善した。Phd2ノックアウトマウスにタモキシフェンを投与し、Phd2の発現が抑制されたマウスの系が作成された。このマウスの腎臓に虚血再灌流を行い、レーザードップラー法を用いて腎髄質血流を測定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの繁殖およびモデル作成に予定より時間を要しており、やや遅れている。また、サイクロトロンの被災により、使用できない状態である。しかしながら、モデルの作成がほぼ完了しており、これから生理的解析が進むと予想される。
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今後の研究の推進方策 |
Phd1およびPhd2のコンディショナルノックアウトマウスのモデルが完成しており、今後繁殖により個体数を増やし、研究が加速するものと予想される。PETに関してはサイクロトロンの稼働が再開しておらず、その分を他の手法によりカバーする。
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次年度の研究費の使用計画 |
動物の繁殖、飼育費用の他、蛍光リアルタイムイメージングやレーザードップラー法による腎および尿細管生理機能の解析のために費用を計上している。
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