研究課題
本研究の目的は、ポドサイトを再生させることにより、糸球体機能を回復させる方法を開発することである。昨年度までのsubtraction, differential display, 次世代シーケンサを用いた検討でポドサイトの分化構造の形成、維持に関わる分子として20余種の分子を同定した。平成24年度はこれらの分子についてsiRNA法を用いた機能解析、ポドサイトの分化との関連についての検討を行った、この中でカチオンチャネル分子であるTRPM4は未分化ポドサイトでの発現は極めて低くポドサイトの分化とともにその発現が増強すること、スリット膜のバリアー機能を喪失した細胞で著しい発現の低下が認められることなどの所見を観察した。研究代表者らはこれまでの検討でシナプス小胞様の輸送機構がポドサイト機能分子の細胞内輸送に重要な役割を果たしていることを示してきたが今回の検討でシナプス小胞膜上の分子がドッキングするポドサイト細胞膜分子群が、ポドサイトの分化構造である足突起間の細胞間接着装置の形成、維持に重要な役割を果たしていることを見出した。これまでの検討で胎生18日ラットより摘出した後腎原基を試験管内で足突起形成を誘導する培養条件を決定することに成功している。今回の検討で同定した分子を強制発現することにより、分化誘導につなげることができると考えており、ポドサイト(糸球体上皮細胞)の分化による糸球体再生法の開発につながる所見が得られたと考えている。
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