研究課題
TDP-43およびFUSを分化運動ニューロンに発現させた細胞モデルを最新のイメージアナライザによって細胞内局在を自動スキャンするシステムを開発と、TDP-43およびFUSの細胞内局在変化を生じさせるような薬剤のスクリーニング・システムの開発を目指し、NSC34細胞を分化させた後にイメージアナライザ (Arrayscan VTI system, Thermofisher社)を用いて解析する系を立ち上げた。この系ではわずかな神経突起伸長および突起の分岐数の変化をヒストグラムにすることで捉えることを可能にした。mouse primary cortical neuronおよびmouse primary motor neuronでFUS遺伝子に対するshRNAをlentivirusを用いて導入し、FUS発現を抑制する系を構築し、神経突起伸長および突起の分岐数の変化を観察するとcontrolに比べ突起伸長および突起の分岐数の低下を認めた。エクソンアレイを用いた網羅的なFUSのRNAターゲット探索より、FUSのターゲットの一つとしてタウの遺伝子のMaptのexon10 inclusionがFUS抑制により増加することが判明した。このexon10を含むisoform (RD4)の発現をFUS抑制ニューロンで特異的に抑制するレスキュー実験を行うと、FUS抑制によって生じた突起伸長および突起の分岐数の低下が回復されることがわかった。以上のことから、タウのisoformであるRD4がFUSの機能喪失によるALSモデルの分子治療ターゲットになり得ることが推測された。
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Brain
巻: epub ページ: epub
Sci Rep
巻: 2 ページ: 529
10.1038/srep00529.