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2011 年度 実施状況報告書

インビトロ血液脳関門システム構築による虚血性脳細胞傷害の病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 23659460
研究機関札幌医科大学

研究代表者

下濱 俊  札幌医科大学, 医学部, 教授 (60235687)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2013-03-31
キーワード骨髄幹細胞 / 血液脳関門 / 神経疾患 / 移植 / 治療 / 骨髄間葉系幹細胞 / アルツハイマー病 / 多発性硬化症
研究概要

細胞治療を行う際に利用が期待されている細胞の一つとして骨髄幹細胞が挙げられる。しかし骨髄幹細胞の血液脳関門での挙動については未だ詳細は不明である。このため、本年度はインビトロ血液脳関門モデルを用いて血液脳関門における骨髄幹細胞の分子・細胞動態の解析を行った。まず、これまでに作製したインビトロ血液脳関門モデルが生体での血液脳関門のモデルとして適切であるか検証した。血液脳関門のバリア機能を評価するための方法として多孔質膜を介した電気抵抗値ならびに蛍光物質の透過性を指標とした。高いバリアー機能を有していることを確認し、この系が血液脳関門の機能を評価するために適したモデルであると考えられた。このインビトロ血液脳関門モデルに骨髄幹細胞を導入し、血管内皮細胞層を移動する骨髄幹細胞を視覚化した。骨髄幹細胞を遊走させるためにこれまで骨髄幹細胞について遊走能を有すると報告されている血清を用いた。また、血管内皮細胞を移動する骨髄幹細胞を観察するために血管内皮細胞はEGFPを発現し緑色蛍光を呈するグリーンラットから採取したものを用い、骨髄幹細胞は赤色蛍光試薬により標識した。その結果、骨髄幹細胞が血管内皮細胞層と多孔質膜の間に遊走し、更に多孔質膜の下面に移動しているのを確認した。インビトロ血液脳関門を透過する骨髄幹細胞の動画取得を行った。骨髄幹細胞は血管内皮細胞層と多孔質膜の間に遊走し、更に多孔質膜の下面へ移動することを静止画のみでなく、リアルタイムイメージングが可能な共焦点顕微鏡を用いて動画で確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ計画通り進み、その結果を査読のある英文誌に投稿し、受理されて印刷された。

今後の研究の推進方策

次年度は、骨髄幹細胞の神経保護作用の検討、神経・アストロサイト培養系と骨髄幹細胞を共培養させた際の骨髄幹細胞の変化を検証する。

次年度の研究費の使用計画

本年度の計画が予想以上に順調に進み、予定していた物品費が予想以上に少なくて目標を達成することができた。次年度(平成24年度)に使用する予定の研究費と平成24年度に請求する研究費を合わせて、主に物品費として使用する。培養細胞系のための培養液、実験動物代、試薬費、ガラス器具などの購入のために研究費を使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Mesenchymal stem cells transmigrate across brain microvascular endothelial cell monolayers through transiently formed inter-endothelial gaps.2011

    • 著者名/発表者名
      Matsushita Takashi
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 502 ページ: 41-45

    • 査読あり
  • [学会発表] インビトロ血液脳関門モデルを用いた骨髄幹細胞の分子・細胞動態解析系の構築2011

    • 著者名/発表者名
      松下 隆司
    • 学会等名
      第52回日本神経学会学術大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2011年5月19日

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公開日: 2013-07-10  

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