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2011 年度 実績報告書

褐色脂肪細胞lineageにおける転写因子ネットワーク制御

研究課題

研究課題/領域番号 23659471
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

松田 修  京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (00271164)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2012-03-31
キーワード再生医療 / 転写因子 / 細胞分化 / 褐色脂肪細胞
研究概要

褐色脂肪細胞は、脂肪酸を酸化分解してそのエネルギーを熱として放出する細胞であり、エネルギー出納と代謝調節に関与する。また内臓型肥満、耐糖能異常と脂質代謝異常の是正に極めて重要な意味を持つ。本研究では、線維芽細胞等の体細胞を、褐色脂肪細胞にダイレクト・リプログラミングする技術を開発することを目的とした。本研究ではまず、ヒト褐色脂肪細胞からmRNAを調整し、DNAマイクロアレイ解析を行って(1)ヒト褐色脂肪細胞に発現する転写因子を、DNAマイクロアレイにて解析した。続いて、(2)それらの転写因子、およびさまざまな転写因子を、種々の組み合わせで、レトロウイルスベクターを用いてマウス胎仔由来線維芽細胞に導入した。種々の培養条件下で分化誘導し、細胞をキャラクタライズした。その結果、(1)ヒト褐色脂肪細胞に発現する、複数の転写因子を見出した。また、転写因子以外にも、興味深い遺伝子を複数見出した。(2)これらの遺伝子をある特定の組み合わせで導入した際に、多房性の脂肪滴と豊富なミトコンドリアを有し、褐色脂肪細胞に特徴的な遺伝子群を発現する褐色脂肪細胞がマウス胎仔由来線維芽細胞から誘導された。一方で、別の組み合わせでは、典型的な白色脂肪細胞が褐色脂肪細胞よりも高頻度に出現した。これらの結果から、マウス体細胞から既知の因子の遺伝子導入により褐色脂肪細胞のダイレクト・リプログラミングできることが分かったので、現在その条件を最適化し、また分化誘導のメカニズムの解析を進めている。本研究の成果は,褐色脂肪い細胞の分化機構の解明につながるのみならず、希少な褐色脂肪細胞を無尽蔵に作出しそのキャラクタライゼーション等に行う上で重要な意義を持つ。さらに将来ヒト細胞でも可能になれば、メタボリック症候群等に対する新しい再生医療を提供できる可能性が期待できる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Combined microwave irradiation and intraarticular glutamine administration-induced HSP70 expression therapy prevents cartilage degradation in a rat osteoarthritis model2012

    • 著者名/発表者名
      Fujita S, Arai Y, Nakagawa S, Takahashi KA, Terauchi R, Inoue A, Tonomura H, Hiraoka N, Inoue H, Tsuchida S, Mazda O, Kubo T
    • 雑誌名

      J Orthop Res

      巻: 30(3) ページ: 401-407

    • DOI

      DOI:10.1002/jor.21535

  • [雑誌論文] Effects of mechanical stress on cytokine production in mandible-derived osteoblasts2011

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto K, Yamamoto T, Ichioka H, Akamatsu Y, Oseko F, Mazda O, Imanishi J, Kanamura N, Kita M
    • 雑誌名

      Oral Dis

      巻: 17(7) ページ: 712-719

    • DOI

      DOI:10.1111/j.1601-0825.2011.01832.x

  • [学会発表] 非ウイルス的手段によるiPS誘導法の確立2012

    • 著者名/発表者名
      松田修
    • 学会等名
      独立行政法人科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業さきがけ研究「iPS細胞と生命機能」研究領域研究成果報告会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2012-01-13

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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