研究課題
提案した新規増殖抑制剤開発の手順は、IL-3依存性増殖を示すBaf3細胞株の増殖・生存を阻害する低分子化合物のスクリーニング→各化合物が標的とする分子の精製・同定→各化合物の臨床応用の可能性の検討、と進めていくものである。東京大学 生物機能制御化合物ライブラリー機構から供与を受けた約10000個の低分子化合物をスクリーニングした結果、Baf3細胞増殖を抑制する可能性がある61個の低分子化合物を選別できた。これら化合物の中には、アポトーシスを誘導するもの、細胞周期を制御するもの、Baf3細胞形態を変化させるもの、などそれぞれ特徴ある変化を誘導するものが含まれていた。これら61化合物に加え類似の構造を持つ新たな化合物に関して、骨髄性白血病細胞株32D、赤白血病細胞株MELなどに及ぼす作用を解析するとともに、化合物が水溶性であること、化合物がアミノ基や水酸基をもつこと、などを指標にして、候補化合物を4個 (T-167317, T-170633, T-005170, T-051702)に絞り込んだ。T-167317は、Baf3細胞特異的に細胞周期を制御した。T-170633は、Baf3細胞・32D細胞・MEL細胞に対し、細胞の多核化を誘導し細胞周期を制御した。Baf3細胞・32D細胞・MEL細胞に対し、T-005170は細胞死を、T-051702は細胞周期静止を、誘導した。これら4化合物の標的分子の精製・同定をおこなうために、各化合物をFGビーズに固相化する過程を終了した。
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