研究課題
本研究では、ロックフェラー大学のHeintz教授らが開発したBAC-TRAP法 (Cell, 2008)を用いて、肝星細胞を蛍光標識し、かつ細胞で翻訳中のmRNAのトランスクリプトーム解析を行う。Bac-TRAP法は、Bacterial artificial chromosome (Bac)を使ったトランスジェニックマウス作製の手法を用いて、EGFPで標識されたリボソームタンパク質L10aを細胞特異的に発現させ、その細胞で翻訳中のmRNAをEGFP抗体を用いて回収し、トランスクリプトーム解析(Translating ribosome affinity purification, TRAP)を行うというものである。私達は、この手法を肝星細胞に応用し、肝星細胞の研究および抗血栓因子ADAMTS13の研究を進める。まず、ADAMTS13遺伝子のプロモーターを用いて、蛍光タンパク質GFPとリボソームタンパク質L10aの融合タンパク質EGFP-L10aが発現する、Adamts13-Bac-TRAPトランスジェニックマウスを作製した。次いで、EGFP-L10aが8コピー入っているBac-TRAPマウスの肝臓および腎臓のホモジネートをウエスタンブロットし、融合タンパク質EGFP-L10aの発現を確認した。このBac-TRAPマウスの肝臓切片を抗GFP抗体で染色し、類洞壁の星細胞と思われる細胞の染色を観察した。ADAMTS13は肝星細胞に加え、腎臓足細胞、糸球体内皮細胞、脳グリア細胞でも発現すると報告されている。そこで、このマウスの脳と腎での発現を調べたが、特異的な染色は得られなかった。
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